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1次独立と1次従属

ベクトル空間 X の要素 x 1 x 2 x n 1次結合 0 となる関係式

c 1 x 1 + c 2 x 2 + c 3 x 3 ++ c n x n =0 ・・・・・・(1)

が成り立つのは,

c 1 = c 2 = c 3 == c n =0

のみであるとき, x 1 x 2 x n 1次独立という.1次独立以外のとき,
x 1 x 2 x n 1次従属という.
(1)の x 1 x 2 x n 1次従属であれば,(1)が成り立つためには
c 1 c 2 c 3 c n の少なくとも1つは 0 でない.

■1次独立の例

3次元ベクトル空間 X の要素

x 1 =( 1 1 0 ) x 2 =( 0 1 1 ) x 3 =( 1 1 1 )

1次独立である.その理由を以下に示す.

c 1 x 1 + c 2 x 2 + c 3 x 3 =0 ・・・・・・(2)

が成り立つとする.

c 1 ( 1 1 0 )+ c 2 ( 0 1 1 )+ c 3 ( 1 1 1 )=( 0 0 0 )

( c 1 + c 3 c 1 + c 2 + c 3 c 2 + c 3 )=( 0 0 0 )

c 1 + c 3 =0(3) c 1 + c 2 + c 3 =0(4) c 2 + c 3 =0(5)

(3)より

c 1 = c 3 ・・・・・・(6)

(5)より

c 2 = c 3 ・・・・・・(7)

(6),(7)を(4)に代入すると

c 3 c 3 + c 3 =0

c 3 =0

c 3 =0 ・・・・・・(8)

(8)と(6),(5)より

c 1 =0 c 2 =0

よって(2)が成り立つためには

c 1 = c 2 = c 3 =0

したがって, x 1 x 2 x 3 1次独立である.

■1次従属の例

3次元ベクトル空間 X の要素

x 1 =( 1 1 0 ) x 2 =( 0 1 1 ) x 3 =( 1 2 1 )

1次従属である.その理由を以下に示す.

c 1 x 1 + c 2 x 2 + c 3 x 3 =0 ・・・・・・(9)

が成り立つとする.

c 1 ( 1 1 0 )+ c 2 ( 0 1 1 )+ c 3 ( 1 2 1 )=( 0 0 0 )

c 1 + c 3 =0(10) c 1 + c 2 +2 c 3 =0(11) c 2 + c 3 =0(12)

(10)より

c 1 = c 3 ・・・・・・(13)

(12)より

c 2 = c 3 ・・・・・・(14)

(13),(14)を(11)に代入すると

c 3 c 3 +2 c 3 =0 ・・・・・・(15)

0=0

となり,(15)は c 3 が任意の値で成り立つ. c 3 =c ( c は任意定数)とおくと,

c 1 =c c 2 =c

となる.例えば, c=2 とすると,

c 1 =2 c 2 =2 c 3 =2

となり,(9)は

2 x 1 +2 x 2 2 x 3 =0

となる.したがって, c 1 = c 2 = c 3 =0 でなくても(9)が成り立つので,
x 1 x 2 x 3 1次従属である.

 

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最終更新日: 2023年2月8日

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