確率の積の法則
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確率の積の法則(乗法定理)

 試行 T 1 では事象 A 1 起こり続いて行う試行 T 2 では事象 A 2 が起こる確率 P( A 1 A 2 ) は, 試行 T 1 では事象 A 1 起こる確率を P( A 1 ) , 試行 T 1 で事象 A 1 起こったという条件つきで,続いて行う試行 T 2 で事象 A 2 が起こる条件付確率 P A 1 ( A 2 ) とすると,

P( A 1 A 2 )=P( A 1 )· P A 1 ( A 2 )

となる.これを確率の積の法則または乗法定理という.

■確率の積の法則の導出

 試行 T 1 で起こるすべての場合の数を n( U 1 ) ,試行Tで事象 A 1 が起こる場合の数を n( A 1 ) , 試行 T 2 で起こるすべての場合の数を n( U 2 ) ,試行Tで事象 A 2 が起こる場合の数を n( A 2 ) , とすると, 試行1,試行2を連続して行った場合のすべての場合の数は積の法則より n( U 1 )×n( U 2 ) , 事象 A 1 に続いて事象 A 2 が起こる場合の数は積の法則より n( A 1 )×n( A 2 ) , となる.確率の定義より

P( A 1 A 2 )

= n( A 1 )×n( A 2 ) n( U 1 )×n( U 2 )
= n( A 1 ) n( U 1 ) × n( A 2 ) n( U 2 )
=P( A 1 )× P A 1 ( A 2 )

となり確率の積の法則が導かれる.

■事例による説明

 数字1のカードが2枚,数字2のカードが3枚の計5枚のカードがある.5枚のカードから1枚のカードを取り,カードを戻さず2枚目のカードを引きます.1枚目に数字1のカードを取り,2枚目に数字2のカードを取る確率を求めよ.

1枚目に数字1のカードを取る確率は 2 5 となる.
2枚目に数字2のカードを取る確率は,残りのカードが4枚で数字2のカードは3枚のままであるので 3 4 となる.
よって,求める確率は

2 5 · 3 4 = 3 10

となる.

 

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初版:2004年7月1日,最終更新日: 2006年4月5日

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