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応用分野: 2次関数のグラフ y=ax^2+bx+c垂線の長さ(点と直線の距離)その2定積分の基本式(9)2次関数のグラフ y=a(x^2-p)+q
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グラフを平行移動した関数

関数 y=f( x )  のグラフを x 軸方向に a y  軸方向に b 平行移動(移動距離は軸の正の方向を正とする)したグラフを表す関数は

yb=f( xa )  ・・・・・・(1)

となる.

ポイント: x 軸方向に ay 軸方向に b 平行移動した関数とは元の関数の x xa に, y yb に書き換えたものになる.

■式の導出

平行移動の考え方を具体的に説明する.

まず

y=x  ・・・・・・(2)  

の直線のグラフについて考える. 

x 軸方向に平行移動したグラフを表す関数

例えば, y=x のグラフを x 軸方向に4平行移動したグラフを表す関数を求める. 

y=x 上の点P x 軸方向に4平行移動したものを点Qとし,点PQ座標をそれぞれ ( r,s ) ( x,y ) とする.点Q x 座標の値は点P x 座標の値 r に4を加えたものとなり,点Q y 座標の値は点P y 座標の値 s のままである.すなわち

{ x = r + 4 y = s   ( x , y ) = ( r + 4 , s )  ・・・・・・(3)

の関係がある.これは点Qを点Pの座標の値を用いて表しているが,逆に点Pの座標を,点Qの座標の値 x y を使って表すと

{ r = x 4 s = y   ( r , s ) = ( x 4 , y )  ・・・・・・(4)

となる.点P y=x 上の点であるので

r=s  ・・・・・・(5)     

の関係がある.(5)の r sに(4)の r=x4 s=y  の関係を代入すると

y=( x4 )  ・・・・・・(6)  

となる.(6)は x yの関係を表している.すなわち,この(6)が(2)の y=x  のグラフを x 軸方向に4平行移動したグラフを表す関数である.  

ポイント: x 軸方向に4平行移動した関数とは元の関数の x x4 に書き換えたものになる.

y 軸方向に平行移動したグラフを表す関数

例えば, y=x のグラフを y 軸方向に4平行移動したグラフを表す関数を求める. 

y=x 上の点P y 軸方向に4平行移動したものを点Qとし,点PQの座標をそれぞれ ( r,s ) ( x,y ) とする.点Q x 座標の値は点P x 座標の値 r のままであり,点Q y 座標の値は点P y 座標の値 s に4を加えたものとなる.すなわち

{ x=r y=s+4 ( x,y )=( r,s+4 )  ・・・・・・(7)

の関係がある.これは点Qを点Pの座標の値を用いて表しているが,逆に点Pの座標を,点Qの座標の値 x y を使って表すと

{ r=x s=y4 ( r,s )=( x,y4 )  ・・・・・・(8)

となる.点P y=x 上の点であるので

r=s  ・・・・・・(5)     

の関係がある.(5)の r sに(8)の r=x s=x4 の関係を代入すると

( y4 )=x  ・・・・・・(9)  

となる.(9)は x yの関係を表している.すなわち,この(9)が(2)の y=x のグラフを y 軸方向に4平行移動したグラフを表す関数である.  

ポイント: y 軸方向に4平行移動した関数とは元の関数の y y4 に書き換えたものになる.

以上の基本的な考え方を基にして

x 軸方向と y 軸方向の平行移動を組み合わせたグラフを表す関数

y=f( x ) のグラフを x 軸方向に a y 軸方向に b 平行移動したグラフを表す関数を求める. 

y=f( x ) 上の点P x 軸方向に a y 軸方向に b 平行移動したものを点Qとし,点PQの座標をそれぞれ ( r,s ) ( x,y ) とする.点Q x 座標の値は点P x 座標の値 r a を加えたものとなり,点Q y 座標の値は点P y 座標の値 s b を加えたものとなる.すなわち

{ x=r+a y=s+b ( x,y )=( r+a,s+b )  ・・・・・・(10)

の関係がある.これは点Qを点Pの座標の値を用いて表しているが,逆に点Pの座標を,点Qの座標の値 x y を使って表すと

{ r=xa s=yb ( r,s )=( xa,yb )  ・・・・・・(11)

となる.点P y=f( x ) 上の点であるので

s=f( r )  ・・・・・・(12)

の関係がある.この(12)の r sに(11)の r=xa s=xb の関係を代入すると

yb=f( xa )  ・・・・・・(1)  

となる.(1)は x yの関係を表している.すなわち,この(1)が y=f( x ) のグラフを x 軸方向に ay 軸方向に b 平行移動したグラフを表す関数である.  

 

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最終更新日: 2023年10月31日

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