原点を中としてにグラフを拡大移動した関数

関数 y=f( x ) のグラフを原点を中心として x  軸方向に c  倍 , y  軸方向に d  倍(拡大移動) したグラフを表す関数は

y d =f( x c )  ・・・・・・(1)

となる.

ポイント:原点を中心として x 軸方向に c 倍 , y 軸方向に d 倍 した関数とは元の関数の x を x c  に, y を y d  に書き換えたものになる.

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■式の導出

グラフの拡大の考え方を具体的に説明する.

まず

y=x  ・・・・・・(2)  

の直線のグラフについて考える. 

●原点を中心として x 軸方向に拡大したグラフを表す関数

y=x のグラフを,原点を中心として x 軸方向に3倍したグラフを表す関数を求める. 

原点を中心として x 軸方向に3倍とは, x 座標の値を3倍にすることである. y=x 上の点Pがこの拡大変換により移動した先を点Qとし,点PQ座標をそれぞれ ( r,s ) ( x,y ) とする.点Q x 座標の値は点P x 座標の値 r を3倍したものとなり,点Q y 座標の値は点P y 座標の値 s のままである.すなわち

{ x=3r y=s ( x,y )=( 3r,s )  ・・・・・・(3)  

の関係がある.これは点Qを点Pの座標の値を用いて表しているが,逆に点Pの座標を,点Qの座標の値 x y を使って表すと

{ r= x 3 s=y ( r,s )=( x 3 ,y )  ・・・・・・(4)   

となる.点P y=x 上の点であるので

r=s  ・・・・・・(5)     

の関係がある.(5)の r sに(4)の r= x 3 s=y  の関係を代入すると

y= x 3  ・・・・・・(6)  

となる.(6)は x y の関係を表している.すなわち,この(6)が(2)の y=x のグラフを原点中心として x 軸方向に3倍したグラフを表す関数である.  

ポイント:原点を中心に x 軸方向に3倍した関数とは元の関数の x x 3 に書き換えたものになる.

●原点を中心として y 軸方向に拡大したグラフを表す関数

y=x  のグラフを,原点を中心として y 軸方向に3倍したグラフを表す関数を求める. 

 原点を中心として y 軸方向に3倍とは, y 座標の値を3倍にすることである. y=x 上の点Pがこの拡大変換により移動した先を点Qとし,点PQの座標をそれぞれ ( r,s ) ( x,y ) とする.点Q x 座標の値は点P x 座標の値 r のままであり,点Q y 座標の値は点P y 座標の値 s を3倍したものである.すなわち

{ x=r y=3s ( x,y )=( r,3s )  ・・・・・・(7)  

の関係がある.これは点Qを点Pの座標の値を用いて表しているが,逆に点Pの座標を,点Qの座標の値 x y を使って表すと

{ r=x s= y 3 ( r,s )=( x, y 3 )  ・・・・・・(8)   

となる.点P y=x 上の点であるので

r=s  ・・・・・・(5)     

の関係がある.(5)の r sに(4)の r=x s= y 3 の関係を代入すると

y 3 =x  ・・・・・・(9)  

となる.(9)は x yの関係を表している.すなわち,この(9)が(2)の y=x のグラフを原点を中心として y 軸方向に3倍したグラフを表す関数である.  

ポイント:原点を中心に y 軸方向に3倍した関数とは元の関数の y y 3 に書き換えたものになる.

以上の基本的な考え方を基にして

x 軸方向 , y軸方向の拡大を組み合わせたグラフの関

y=f( x ) のグラフを原点を中心として x 軸方向に c倍 , y軸方向に d倍 したグラフを表す関数を求める. 

y=f( x ) 上の点 Pがこの拡大変換により移動した先を点Qとし,点PQの座標をそれぞれ ( r,s ) ( x,y ) とする.点Q x 座標の値は点P x 座標の値 r c 倍したものとなり,点Q y 座標の値は点P y 座標の値 s d 倍したものである.すなわち

{ x=cr y=ds ( x,y )=( cr,ds )  ・・・・・・(10)  

の関係がある.これは点Qを点Pの座標の値を用いて表しているが,逆に点Pの座標を,点Qの座標の値 x y を使って表すと

{ r= x c s= y d ( r,s )=( x c , y d )  ・・・・・・(11)   

となる.点P y=f( x ) 上の点であるので

s=f( r )  ・・・・・・(12)     

の関係がある.(12)の r s に(11)の r= x c s= y d  の関係を代入すると

y d =f( x c )  ・・・・・・(1)  

となる.(1)は x と y の関係を表している.すなわち,この(1)が y=f( x )  のグラフを原点を中心として x 軸方向に c 倍 , y 軸方向に d 倍 したグラフを表す関数である.  

 

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最終更新日 2024年2月16日