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減衰振動 (damped oscillation)

ある物理量が振動するときに,その振幅が時間の経過とともに小さくなってゆく振動を 減衰振動 (damped oscillation) という.実際の物理現象では,単振動のように永久に振動し続けるのではなく,摩擦や空気抵抗などの運動を妨げる抵抗が働いて,物体の運動はいずれ停止してしまうことが多い.減衰振動はそのような現実的な振動現象を表す.

単振動する質点に,その速度に比例した抵抗力が作用する場合,抵抗がそれほど大きくなければ,振幅が時間とともに指数関数的に減少していく調和振動となる.これを特に 減衰調和振動 (damped harmonic motion) といい,質点の位置を x とすると,

x(t)=A eγt cos(ωt+α)     ( A γ ω α :定数)     - - - (1)

と表され,初期位相 α=0 とおいたときのグラフは下図のようになる.図において,減少していく振幅は An =A e γ 2πn ω  となる( n= 0, 1, 2, 3, ).

指数関数 eγt に現れる γ (>0) 減衰率 (damping coefficient / damping decrement) とよばれ,振幅の減少していく速さを決める. ω は減衰調和振動の固有角振動数であり,抵抗のない場合( γ=0 )の単振動の固有角振動数を ω0 とすると,

ω= ω02 γ2     - - - (2)

という関係がある.前述の「抵抗がそれほど大きくない」場合とは, γ< ω0 を満たす場合(不足減衰 : under damping)のことである. γ ω0 の場合(過減衰 : over damping臨界減衰 : critical damping)は,抵抗が大きいため振動せずに釣り合いの位置に漸近的に近づく運動となり,非周期的減衰 (aperiodic damping) と呼ばれる.狭義には,減衰調和振動のみを減衰振動と呼び,非周期的減衰は該当しない.

減衰振動が現れる現象としては,ばね‐質量‐ダンパー系RLC回路などがある.

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