力のモーメントの向き (direction of angular momentum)
点 P にある質点に力
F
が作用しているとき,点 P の位置ベクトルを
r
とすると,点 O のまわりの質点の力のモーメントは
N
=r
×
F
- - - (1)
であり,その向きは
r
と
F
の張る平面に垂直である.
点 O のまわりの力のモーメントを図示する場合,通常,図のように点 O を始点としたベクトルで表す(位置ベクトルの始点を力のモーメントの始点とする).このように表すと,「
N
の向きを回転軸とし,その回転軸まわりに質点を回転させようとする効果の大きさが力のモーメントの大きさ
|N|
である」とみなすことができ,その回転方向は
N
の向きに進む右ネジの回転方向と一致する(ベクトル
N
の先から回転面を見ると反時計回りの向きである).
回転運動の法則から,微小時間
Δt
後の角運動量は
L
(t+Δt)
≈L(t)
+N(t)
Δt
と表せるので,時刻
t
において,角運動量
L(t)
で運動している質点に力
F(t)
が作用し,その力のモーメント
N(t)
の向きと角運動量
L(t)
の向きが異なる場合,力のモーメント
N(t)
は角運動量(時刻
t
における回転軸)の向きを変えようとする.その結果,時刻
t+Δt
では質点の回転軸の向きが
L
(
t+Δt
)
の向きとなる.
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