力のモーメント (moment of force)
点 P に力
F
が作用しているとき,点 P の位置ベクトルを
r
とすると,ベクトル
F
の点 O のまわりのモーメント
N
=r
×
F
- - - (1)
を点 O のまわりの力のモーメント (moment of force) という(成分表示).点 P にある質点に力
F
が作用している場合,力のモーメントはこの質点がもつ
角運動量の時間変化率を表す(回転運動の法則).
力のモーメントは物体の回転運動において重要な概念であり,簡単にいえば,物体中のある点に力を作用させたときに,その力が物体を回転運動させる能力を表す量である.
図のように,点 P にある質量
m
の質点に力
F
が作用しているとする.式(1)より,力のモーメント
N
は
r
と
F
のベクトル積(外積)で定義されるので,
N
の方向は
r
と
F
で張られる平面(淡緑の面)に垂直で,
r
と
F
のなす角
θ
について
r
から
F
に回転するときに右ネジが進む方向(図の右手の親指の方向)を向いている.また,位置ベクトルの大きさ
r=
|r|
,力の大きさ
F=
|F|
を用いて,
N
の大きさは
N=
|N|
=rFsinθ
- - - (2)
と表される.点 O から PQ を通る直線に下ろした垂線の長さ
l=
|r|
sinθ
より,
N=lF
と書けて,これは形式的には図の △OPQ の面積の2倍に等しいといえる.
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