粗い斜面を滑り落ちる物体に働く力がする仕事
図が示すように,水平面に固定された台の粗い斜面の点
O
に質量
5.00 kg
の物体を静かに置いたところ,物体は滑り出し下端の点
P
に達した.点
O
から下した鉛直線と水平面との交点を
Q
とすると,
OQ
間の距離は
3.00 m
,
PQ
間の距離は
4.00 m
であった.物体には重力
w
と斜面からの垂直抗力
n
が作用するほか,物体が斜面を滑っている間,物体と斜面の間には動摩擦力
f
が作用し,その大きさは
| f |=21.4 N
である.また,重力加速度の大きさを
g=9.80
m/s
2
とする.
物体が点
O
から点
P
まで移動したときに,重力,垂直抗力,動摩擦力がした仕事を求めよ.
解答
重力がした仕事:
147 J
垂直抗力がした仕事:
0 J
動摩擦力がした仕事:
−107 J
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解説
斜面の点
O
から点
P
までの距離
3.00
2
+
4.00
2
=5.00 m
である.
重力の大きさは
| w |=mg
であり,重力の移動方向成分は
mg⋅
3
5
=5.00⋅9.80⋅
3
5
=29.4 N
なので,重力がした仕事は
W
1
=29.4⋅5.00=147 J
である.垂直抗力の向きと移動方向は垂直なので,垂直抗力がした仕事は
W
2
=0 J
である.動摩擦力の向きと移動方向は逆なので,動摩擦力がした仕事は
W
3
=−21.4⋅5.00=−107 J
である.
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物体が点
P
に到達した瞬間の物体の速さを求めよ.
解答
点
P
での物体の速さ
v
P
=4.00 m/s
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解説
点
O
での物体の速さ
v
O
,点
P
での物体の速さを
v
P
とすると,仕事と運動エネルギーの関係より
W
1
+
W
2
+
W
3
=
1
2
m
v
P
2
+
1
2
m
v
O
2
が成り立ち,(1)の結果より
147+0-107=
1
2
⋅5.00⋅
v
P
2
⇒
v
P
2
=
40.2
5.00
=16.0
となる.したがって,点
P
での速さは
v
P
=4.00 m/s
となる.
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学生スタッフ作成
2023年7月25日