熱の不可逆性

水を注いだコップにインクを一滴垂らすと拡散するが,拡散したインクを再び一滴のインクに集めることはできない.このような一方的な変化しか起こらない現象の過程を不可逆過程(不可逆変化)という.熱現象における現象の過程はすべて不可逆過程である.熱湯を放置するとぬるくなるが,常温の水を放置しても熱湯にはならないことからも分かる.このように,熱は必ず高温の物体から低温の物体へ移る不可逆過程であり,その逆はない.このことを熱力学第2法則という.



摩擦や空気抵抗を無視した空間で振り子を運動させると,運動エネルギーと位置エネルギーが完全に互いに変換され振り子は振り続ける.このように,不可逆過程とは異なり,ある状態から別の状態へ変化しても再び元の状態に戻ることができる現象の過程を可逆過程(可逆変化)という.




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学生スタッフ作成

2018年3月6日