関数 において,が と異なる値をとりながらに限りなく近づくとき,が一定値に限りなく近づく場合
(あるいは, のとき )
と表す.をのときのの極限値といい, のとき,はに収束するという.
定義ε-δ論法による極限の定義
の近くで定義された関数において,任意の正数 に対して,適当な正の数 があって, のすべての について となるならば,これを のときあるいは とかき,をのときの極限値という 引用元:田島一郎,イプシロン・デルタ.共立出版,1978年,p2 |
関数において,がと異なる値をとりながらに限りなく近づくとき, それに応じて,の値が限りなく大きくなる場合
(または,のとき )
と表す .のとき,は正の無限大に発散する という.
また がと異なる値をとりながらに限りなく近づくとき, の値が負で,その絶対値が限りなく大きくなる場合
(または, のとき )
と表す .のとき,は負の無限大に発散する という.
関数について
, ,
のいずれでもない場合,のときのの極限はないという.
変数が1つの値に限りなく近づくとき,より大きい値をとりながらに近づく場合とより小さい値をとりながらに近づく場合がある.
と表し, の場合はそれぞれ, , と表す.
,のときのの極限を,それぞれがに近づくときのの右側極限,左側極限といい
,
と表す.
であることは, が と異なる値をとりながら に限りなく近づくとき, どのような近づき方をしても, の値は に限りなく近づくことを意味している.
したがって,
ならば
である. との値が異なるならば のときのの極限はない.
これまでは,が一定の数を表すとき,のときの関数の極限を考えたが, (の値が限りなく大きくなる),あるいは (の値が負でその絶対値の値が限りなく大きくなる)の場合の極限について説明する.
のとき,関数がある一定値に限りなく近づく場合
(のとき)
と表す.
のとき,関数がある一定値に限りなく近づく場合
(のとき)
と表す.
最終更新日:
2024年5月27日