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角振動数 で単振動する質量 の質点の位置 を
- - - (1)
と表すと,質点の速度 は
- - - (2)
であるので,質点の運動エネルギーは
- - - (3)
となり,基準点を としたときの位置エネルギーは
- - - (4)
となる.ここで, を用いた.したがって,単振動する質点の力学的エネルギーは
- - - (5)
となり,角振動数 の2乗と振幅 の2乗に比例する.また,力学的エネルギーは定数で表され,常に一定であるので保存することが分かる.
2つの新たな変数 , を次のように定義する.
- - - (6)
- - - (7)
ここで,式 (5) より を用いた.また,式 (3),(4) より , である.すると,
- - - (8)
なので,上式は 平面における半径 の円を表し,その平面で点 は半径 の円周上を角速度 で等速円運動している.
式 (6),(7) の定義から分かるように, と はそれぞれ単振動の規格化された位置と速度を表す(次元はともにエネルギーの平方根).力学的エネルギー が保存するような運動では, を一定に保つように位置と速度が変化するのであるが,単振動では式 (6),(7) で規格化された位置 と速度 が 平面において半径 の円周上を等速円運動するように変化することを式 (8) は意味している.単振動の角振動数 や振幅 が大きくなって力学的エネルギーが増大すると, 平面でより大きな半径の円周上を運動することとなる.
位置と速度(もしくは運動量)を座標軸にとった空間を物理学における位相空間という.質点の運動状態を定めるには位置と速度が必要であり,その運動は位相空間において一本の曲線で表現できる.