変数分離

定数状態の場合,エネルギーは時間的に変化しないで一定値をとる.ここで,エネルギーの一定値としての定数関数を E とおく.定常状態の場合,シュレディンガー方程式の解は変数分離 ψ( x,t )=ϕ( x )φ( t ) で表すことができる.具体的に1次元( x 軸上)のポテンシャル中を運動する質量 m の量子に対するシュレディンガー方程式

i t ψ( x,t ) =( 2 2m 2 x 2 +V )ψ( x,t )

にこの解を代入すると,

1 φ( t ) [ i t φ( t ) ] = 1 ϕ( x ) [ ( 2 2m 2 x 2 +V )ϕ( x ) ]

これが定数関数 E に等しいとすると,変数分離により,以下2つの式に分離できる.

i t φ( t )=Eφ( t )

( 2 2m 2 x 2 +V )ϕ( x )=Eϕ( x )

上式は,エネルギー演算子の固有値が一定値 E になり,エネルギーが時間的に変化しない定常状態であることが確認できる.

変数 x t の式に分離したので,偏微分を微分で表し, ϕ( x ) に関して以下の式を得る.

2 2m d 2 d x 2 ϕ( x )=( EV )ϕ( x )

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学生スタッフ作成

2025年8月5日