熱膨張
夏場の炎天下に晒された電車のレールが変形したり,温度計の液体は温度によって指す目盛が変化する.このように,
多くの物質は温度変化に伴ってその長さや体積が変化する.このような現象を熱膨張という.熱膨張は熱運動に関係しており,温度が高くなり熱運動が激しくなるほど構成分子や原子間が広くなり膨張する.
0 ℃
のときに長さが
l
0
〔m〕
のある物質の温度が
t 〔℃〕
だけ変化したとき,変化後の長さ
l 〔m〕
は以下の式で表すことができる.
l=
l
0
(
1+αt
)
0 ℃
のときの体積が
V
0
〔
m
3
〕
のある物体の温度が
t 〔℃〕
だけ変化したとき,変化後の体積
V 〔
m
3
〕
は以下の式で表すことができる.
V=
V
0
(
1+βt
)
α 〔
K
−1
〕
を線膨張率,
β 〔
K
−1
〕
を
体膨張率といい,
1 K
毎に変化する割合を表したものである.この値は物質ごとに異なる.ただし,これらの式は特定の狭い範囲に限って成り立つ近似式である.また,
α
と
β
は
β
≒
3α
という関係が成り立つ.
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学生スタッフ作成
2018年3月8日