この実験では,成形真空デシケーター(アズワン,RVD-250)を真空容器として用い,二液混合型接着剤を混ぜ合わせた液が入ったコップをその中に入れてゆっくり排気する.
まず,二液混合型接着剤を入れたプラスチックコップを2つ用意し,片方を比較用として一つだけ真空容器に入れる.圧力を下げていくと,二液混合型接着剤から気泡が発生する.これは周囲の圧力が下がったことによって,二液混合型接着剤内部に入り込んでいた気体の圧力が相対的に高くなって膨張して目に見える大きさになったためである.さらに圧力を下げていくと,
10
4
Pa くらいから気泡の発生が激しくなり,二液混合型接着剤内部の気泡がどんどん外部に抜けていく.気泡の発生が落ち着いたところで排気を止めて,今度は真空容器内に大気をゆっくりと導入する.
脱泡作業後に脱泡前の二液混合型接着剤の状態と比較を行うことで脱泡後に内部に気泡が無くなっていることがわかる.また,接着剤が化学変化して硬化した後も脱泡作業の有無によって内部の気泡の状態に大きな差が生じていることが分かる.気泡という欠陥を取り除くことで,固体の強度を増加させることができる.
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