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行列式の展開

次の行列式 について

が成り立つ.

ただし, 次の正方行列 の成分で, は成分 余因子である.

(1)を行列式 列での展開式とい,この展開する操作を 列で余因子展開するという.

(3)を行列式 行での展開式とい,この展開する操作を 行で余因子展開するという.

■導出

の場合

の時

列とj列を入れ換える.行列の符号が変わることに注意する. 

列と 列を入れ換える.行列の符号が変わることに注意する. 

      が第1列にくるまで同様に隣の列と入れ換えを繰り返す.

の時は上の操作は不要である.

同様にして

第2番目以降の行列式について,第 番目の行列式の第行を第1行に移動させるため隣接する行との入れ換えを繰り返すと

,および,余因子 より

となる.

すなわち

 

この式を行列式 列での展開式という.

以上の計算は, 次の行列式 列での余因子展開の導出過程 を参考にするとよい.

このように行列式 を行列 の成分とその余因子の積の和にすることを余因子展開するともいう.

の場合

となり,第 列の成分と第 列の成分が等しくなる.

よってこの性質より

 

となる.

2つ目の式の証明は1つ目の式の証明の行の操作と列の操作を入れ換えて同様に証明することができる.

 

を行列式 のk行での展開式という.

 

■具体例

例1 第1行で展開した場合

例2 第1列で展開した場合

 

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最終更新日: 2025年10月10日