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恒等式

恒等式とは,等式に含まれている文字に任意の文字を代入しても,その等式の両辺の値が存在する限りつねになりたつ等式のこと.

整式から成る恒等式の性質

● 性質1:

 が文字  について恒等式        (係数=0)

恒等式であるので を代入しても等式は成り立ちつ.よって

の連立方程式が得られる. これを解くと  となる.

● 性質2:

 が文字  について恒等式

     (同じ次数の係数が等しい)

 を右辺−左辺=0に式を変形する.すると

が得られる.性質1より,    が導かれる.

2次の整式について示したが,上の性質は 次の整式でも成り立つ.

■ひとこと

恒等式の問題では,係数を求めなければならない場合がよくある.このような問題を解く手法として

  1. 数値代入法:適当な数値を代入して,係数の連立方程式を作り解く.
    次の恒等式で 個の係数(定数項を次の係数と考えている)の内、個の係数が分かっている場合,残りの 個の係数を求めるには 個の数値を代入する必要がある)

  2. 係数比較法:両辺の同じ次数の項の係数を比較する連立方程式を作り解く.

がある.

●事例

恒等式

 ・・・・・・(1)

が成り立つを求めよ.

◇数値代入法で解く場合

(1)の右辺を展開すると

 ・・・・・・(2)

となる.

(2)をみると, の係数は で既に決まっている.よって, 個の数値を(2)に代入する

(2)に を代入すると

 ・・・・・・(3)

(2)に を代入すると

 ・・・・・・(4)

となり,(3),(4)からなる連立方程式が得られる.これを解く.

(3)使って(4)を書き換える.

 ・・・・・・(5)

(5)を(3)に代入する.

のとき,(3)より

のとき,(3)より

◇係数非核法で解く場合

(2)より の係数は で既に決まっている.よって, の係数と定数項を比較して連立方程式を立てると

が得られる.これを解くと

となる.

 

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最終更新日: 2025年10月10日