浮力

気体と液体を合わせて流体という．流体中では，物体は軽くなる．これは流体から物体を押し上げる力がはたらくためである．この力を浮力という．流体中の物体では，物体の上面より下面の方が深いところにあるため，流体が物体の上面を下向きに押す力よりも，物体の下面を上向きに押す力の方が大きいためにその分，浮力が生じる．

流体の密度を $3$\displaystyle{{\rho} \[{ \text{kg/m} }^{\text{3}}\] }$ ，物体の体積(液面下の体積)を $3$\displaystyle{V \[{\text{m}}^{\text{3}}\] }$ とすると，流体中の物体が受ける浮力の大きさ $3$\displaystyle{F \[\text{N}\] }$ は，

$3$\displaystyle{ F={\rho}Vg }$

と表わされ，物体が押しのけた流体の重力の大きさに等しい．これをアルキメデスの原理という．

$浮力$

浮力の大きさの求め方

上図の直方体の上面と底面の面積を $3$\displaystyle{ S\text{\hspace{1}}\[{\text{m}}^{\text{2}}\] }$ とすると，上面にはたらく力の大きさ $3$\displaystyle{ \hspace{1}{F}_{1}\text{\hspace{1}}\[\text{N}\] }$ は，

$3$\displaystyle{ \hspace{1}{F}_{1}={\rho}\hspace{1}{h}_{1}gS }$

底面にはたらく力の大きさ $3$\displaystyle{ \hspace{1}{F}_{2}\text{\hspace{1}}\[\text{N}\] }$ は，

$3$\displaystyle{ \hspace{1}{F}_{2}={\rho}\hspace{1}{h}_{2}gS }$

である．側面にはたらく力は打ち消しあうので，直方体が流体から受ける力の大きさ $3$\displaystyle{ F\text{\hspace{1}}\[\text{N}\] }$ は，

$3$\displaystyle{ F=\hspace{1}{F}_{2}- \hspace{1}{F}_{1}=\hspace{1}{p}_{2}S- \hspace{1}{p}_{1}S={\rho}\hspace{1}{h}_{2}gS- {\rho}\hspace{1}{h}_{1}gS }$

$3$\displaystyle{ ={\rho}gS $ \hspace{1}{h}_{2}- \hspace{1}{h}_{1} $ ={\rho}Vg }$

となる．

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最終更新日2025年9月24日