対数正規分布(log-normal distribution)

対数正規分布は,正規分布 f x = 1 2π σ e 1 2 xμ σ 2 の確率変数 X Y= e X を用いて確率変数 y に変換することによって得られた分布で, 確率密度関数(確率分布)

g y = 1 2π σy e 1 2 logyμ σ 2  ・・・・・・(1)

となる.累積分布関数

G x = y g t dt = y 1 2π σy e 1 2 logyμ σ 2 dt = 1 2 1+erf logyμ 2 σ  ・・・・・・(2)

(ただし, erf x は誤差関数で, erf x = 2 π 0 x e t 2 dt である)

である.

■導出

確率変数 X が正規分布 N μ,σ に従っているとする.確率密度関数

f x = 1 2π σ e 1 2 xμ σ 2  ・・・・・・(3)

より

f x dx = 1 2π σ e 1 2 xμ σ 2 dx =1  ・・・・・・(4)

となる.

確率変数 X Y= e X を用いて確率変数 y に変換する.

x=logy   y>0 とおいて上の定積分を変数 x から変数 y 置換する.

dx dy = 1 y dx= 1 y dy

x: のとき y:0

より,(4)を書き直すと

0 1 2π σ e 1 2 logyμ σ 2 1 y dy = 0 1 2π σy e 1 2 logyμ σ 2 dy =1  ・・・・・・(5)

となる.

g y = 1 2π σy e 1 2 logyμ σ 2   y>0  ・・・・・・(6)

とおくと

0 1 g y dy =1  ・・・・・・(7)

となり,確率密度関数の条件を満たしている.

確率変数Yの自然対数 logY が正規分布に従うので,この確率分布を対数正規分布という.

対数を取っていることより,低い方に一定の限度がある場合に適応できる分布である.

 

ホーム>>カテゴリー分類>>確率統計>>正規分布

最終更新日: 2024年3月13日