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原点 O を中心とした半径 の円周上を角速度 で等速円運動する質点の位置 の各成分は
- - - (1)
- - - (2)
と表される( :初期位相).質点の速度 の各成分は
- - - (3)
- - - (4)
となる.位置ベクトル と速度ベクトル の内積
より,速度 は位置 (動径方向)と直交し,接線方向を向いており,その大きさは
- - - (5)
である.質点の加速度 の各成分は
- - - (6)
- - - (7)
となる.上の2式より
- - - (8)
であり,この加速度 は位置 と逆向きで,常に円の中心 O を向いていることから 向心加速度 (centripetal acceleration) とよばれる.また,加速度の大きさは
- - - (9)
である.図から分かるように,質点の位置を原点とした速度空間( 平面)で考えると, は,半径 の円周上を速さ で等速円運動していると考えることができる.
等速円運動の中心を原点 O ではなく任意の点 C とすると,位置ベクトル の各成分を表す式(1),式(2)は
- - - (10)
- - - (11)
で置き換えられる(ここで,円周の半径を とした). と は定数であるので,速度 と加速度 の式は変わらない.この場合,点 C の位置ベクトルを とすると,式(8)は
- - - (12)
と書き換えられる.この場合も加速度は常に中心 C を向いていることになるので,向心加速度には変わりない.
(注)通常,回転方向は反時計回りのみを考えて であるが,時計回りの回転も考慮すると の場合もありえるので,その場合,式(5)で現れる と式(9)で現れる については,絶対値 で置き換える必要がある.