中心極限定理のExcel教材2

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【注意】教材のマクロを実行できるようにするためには,マクロのブロックを解除する必要があります。ここを参考にしてください。

■教材説明

Excel教材で確認する中心極限定理の性質

確率変数

X ¯ = 1 n ( X 1 + X 2 ++ X n )  ・・・・・・(1)

について

E( X ¯ )=μ ・・・・・・(2)

V( X ¯ )= σ 2 n  ・・・・・・(3)

が成り立ち

n+ のとき. X ¯ は,正規分布 N μ, σ 2 n に従う」 ・・・・・・(4)

が成り立つことを,学習者が入力した最大100個の数値を母集団から乱数を使って標本を取り出す操作を繰り返し,得られたデータが上記性質を満たしているか確認をする.

Excel教材の概観を図1に示す.


図1 Excel教材の概観

図2を用いてこの教材の使い方を説明する.

  1. シミュレーションに用いる母集団を1番のセルに任意の値を最大100個入力する.
  2. 2番のセルに母集団から無作為に取り出す標本数を入力する.
  3. 3番のセルに連続して標本を取り出す試行回数を設定する.
  4. スタートボタンを押す.4番のセルに母集団の母平均と母分散が計算されて出力される.5番のセルに乱数関数のRAND()を用いたマクロにより母集団の中から指定した標本数のデータ(標本)が取り出される.6番のセルに取り出したデータ(標本)の平均,不偏分散,標本の分散が表示される.
  5. 8番のセルに試行回数が示されている.図2は10000回標本を取り出す操作をした結果で,7番のセルに10000回分の標本平均と標本分散から計算した値が計算されている.左から,標本平均の平均,不偏分散の平均,標本平均の分散,母分散と標本平均の分散の比(母分散/標本平均の分散),である.
  6. 以上の操作で得られたデータを基にして,図1の1番,2番,3番のグラフが得られる.
  7. 再度,スタートボタンを押すと試行回数が累積される.

図2 図1の左上拡大

図3を用いて図1の3つのグラフの説明をする.図3では10000回標本を取り出す試行を実施した後に作成されたグラフである.

1番のグラフの青色の丸は,母集団のデータを図1の7番の表で度数分布を計算し,その度数分布を相対度数分布に変換し,更に階級幅で割った値(確率密度に相当)を階級値のところにプロットしたものである.

2番のグラフのだいだいいろ色の丸は,各試行で得られた標本平均10000個分を図1の8番の表で度数分布を計算し,その度数分布を相対度数分布に変換し,更に階級幅で割った値(確率密度に相当)を階級値のところにプロットしたものである.実線は,中心極限定理から求められる正規分布のグラフである.だいだい色の丸が正規分布のグラフにほぼ重なるように分布している.ただし,標本数が10個であるこの事例では,確率変数となる標本平均は連続型変数ではなく離散型確率変数になるため,標本平均の分布が正規分布になっているとは言えない.標本数 n を無限大にしすると確率変数が連続型確率変数になるが,この教材では標本数は1000個以内に留めておくのがよい.標本数を多くするとExcelでの計算時間がかかり過ぎ実用的でない.母集団の内容にも依存するが,標本数が1000以内でも十分中心極限定理の近似が成り立つ.トライアンドエラーして確かめるよよい.

3番のグラフのだいだいいろ色の丸は,各試行で得られた標本分散10000個分を図1の8番の表で度数分布を計算し,その度数分布を相対度数分布に変換し,更に階級幅で割った値(確率密度に相当)を階級値のところにプロットしたものである.

標本数を変更すると分布が変化するので,初期設定の状態ではグラフがうまく表示されない場合がある.そのようば場合はグラフ上部の度数分布作成の設定値(階級の最小値,階級幅)を変更したり,Excelのグラフの調整機能を使って横軸の目盛りの設定などを変更してください.

初期化のボタンを押すと,図1中央部の灰色の列のデータ(4番,5番,6番のセルの値)と図2の12番の試行回数,10番の標本平均,不偏分散,標本分布,9番の標本数のデータの値,選択関数の選択が消去される.


図3 累積サンプリング回数10000回後のグラフ

 

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最終更新日: 2024年10月15日