恒等式とは,等式に含まれている文字に任意の文字を代入しても,その等式の両辺の値が存在する限りつねになりたつ等式のこと.
が文字 について恒等式 (係数=0)
恒等式であるので を代入しても等式は成り立ちつ.よって
の連立方程式が得られる. これを解くと となる.
が文字 について恒等式
(同じ次数の係数が等しい)
を右辺−左辺=0に式を変形する.すると
が得られる.性質1より, が導かれる.
2次の整式について示したが,上の性質は 次の整式でも成り立つ.
恒等式の問題では,係数を求めなければならない場合がよくある.このような問題を解く手法として
数値代入法:適当な数値を代入して,係数の連立方程式を作り解く.
(
次の恒等式で
個の係数(定数項を次の係数と考えている)の内、個の係数が分かっている場合,残りの
個の係数を求めるには
個の数値を代入する必要がある)
係数比較法:両辺の同じ次数の項の係数を比較する連立方程式を作り解く.
恒等式
・・・・・・(1)
が成り立つ,を求めよ.
(1)の右辺を展開すると
・・・・・・(2)
となる.
(2)をみると, の係数は で既に決まっている.よって, 個の数値を(2)に代入する
(2)に を代入すると
・・・・・・(3)
(2)に を代入すると
・・・・・・(4)
となり,(3),(4)からなる連立方程式が得られる.これを解く.
(3)使って(4)を書き換える.
・・・・・・(5)
(5)を(3)に代入する.
のとき,(3)より
のとき,(3)より
(2)より の係数は で既に決まっている.よって, の係数と定数項を比較して連立方程式を立てると
が得られる.これを解くと
となる.
最終更新日: 2025年10月10日