たすきがけ手法による因数分解の手順

たすきがけ手法による因数分解の手順

2次関数  a x 2 +bx+c  の因数分解

a x 2 +bx+c=( px+q )( rx+s )  

のように因数分解できたとすると

( p x + q ) ( r x + s )

= p r x 2 + ( p s + q r ) x + q s

となり,係数を比較すると

a=pr b=ps+qr c=qs  

となる.

すなわち,因数分解を行うには,このような関係が成り立つ整数の組合せ ( p,q,r,s ) を求めればよい.

以下にその求める手順を示す.

  1. x 2  の係数  aにおいて a=pr となる整数 p r の組合せ ( q,r )  を求める.

  2. cにおいて c=qs となる整数 q s の組合せ ( q,s )  を求める.

  3. 定数  cにおいて c=qs となる整数 q s の組合せ ( q,s )  を求める.

  4. (1),(2)で求めた組合せの中から1つずつ選び  p×s+q×r  を計算する.

  5. p×s+q×r=b  とならなければ(1),(2),(3) を p×s+q×r=b  になるまで繰り返す(すなわち, p q r s  の組合せを変える).

  6. p×s+q×r=b  が得られれば,求める因数分解の答は ( px+q )( rx+s )  である.

青字の部分は実際に紙に書いて見るとよい.

■具体例

  1. 6 x 2 x15  を因数分解する.
    x 2  の係数  6において 6=pr となる整数 p rの組合せ ( q,r )  を求める.
    ( p,r )=( 1,6 ),( 2,3 ),( 3,2 ),( 6,1 )

  2. 定数  15において 15=qs となる整数 q sの組合せ ( q,s )  を求める.

    ( q , s ) = ( 1 , 15 ) , ( 3 , 5 ) , ( 5 , 3 ) , ( 15 , 1 ) , ( 1 , 15 ) , ( 3 , 5 ) , ( 5 , 3 ) , ( 5 , 1 )

  3. 1,6 1,15 の組み合わせ

    1 1 6 6 15 15 9

    b=1 となっていないので,次の組み合わせを試す.

  4. 1,6 3,5 の組み合わせ

    1 3 18 6 5 5 13

    b=1 となっていないので,次の組み合わせを試す.

  5. 2,3 3,5 の組み合わせ

    2 3 9 3 5 10 1

    b=1 となり,因数分解ができる.

  6. 6 x 2 x15=( 2x+3 )( 3x5 )

 

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最終更新日: 2024年9月19日