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応用分野: デルタ関数

点電荷 (point charge)

空間的な広がりをもたず,ある一点に全ての電荷が集中していると理想化された電荷を点電荷 (point charge)という.

電荷をもつ現実の物体は必ず大きさをもつが,物理現象を記述するときに点電荷として単純化することは,その現象の本質を見るために時として非常に有効である.対象とする物質と電荷との間の距離が十分に離れていれば,大きさをもつ電荷を点電荷として近似して取り扱うことで多くの電磁気学的な計算が簡単になる.


点電荷の電荷密度

電気量 q の点電荷が位置 r0 に存在するとき,デルタ関数 δ(r) を用いて点電荷の電荷密度 ρ(r)

ρ(r) = qδ( rr0 )      ······ (1)

と表せる.現実の物体では電荷は空間に連続的に分布しており,その電荷密度を ρ(r) とすると,空間内の領域 V に存在する電気量の総量 Q

Q= V ρ(r) d3r

のように積分により表される.ここで, d3r =dxdydz である.点電荷の電荷密度を式(1)で表現することにより,連続分布と同様に積分による表式

D ρ(r) d3r = D qδ( rr0 ) d3r =q

で,点電荷の電気量 q を表すことができる.領域 D は位置 r=r0 を含む領域である.

電場 E(r) について, ガウスの法則

divE = ρ(r) ε

に式(1)を適用すると

D divE d3r = D qδ( rr0 ) ε d3r =qε

が得られる.

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