電荷保存則(Law of conservation of charge)

外部との電荷のやりとりのない孤立した系では,その系内で電荷分布が変化することはあっても, 電荷量の総和は常に一定である.これを電荷保存則と呼ぶ.このことから,外部との電荷のやりとりがある場合に, 系から流出(あるいは流入)した電荷量と系内の電荷量の変化を関係づけることができる.

空間内に閉曲面 S を取り, S で囲まれる領域を V とする.領域 V から単位時間あたりに流出する電荷の量は, S 上での電流密度 i r,t を用いて,

S i r,t ndS ・・・・・・(1)

で与えられる(正の場合は流出,負の場合は流入を表す).ここで, n S 上の(外向きの)単位法線ベクトルである.一方で, V 内の電荷の総量は電荷密度 ρ r,t を用いて,

V ρ r,t dV ・・・・・・(2)

と書ける.電荷保存則より,(1)式で与えられる電荷の流出量は,単位時間あたりの V 内の電荷の減少量

d dt V ρ r,t dV ・・・・・・(3)

に等しい((3)式が正の場合は減少を表し,負の場合は増加を表す).したがって,

S i r,t ndS = d dt V ρ r,t dV ・・・・・・(4)

を得る.この式の左辺にガウスの定理を用いれば,

V i r,t dV + d dt V ρ r,t dV =0 ・・・・・・(5)

V が時間変化していないとし,左辺第2項で微分と積分の順序を交換すれば,

V i r,t dV + V t ρ r,t dV = V i r,t + t ρ r,t dV =0 ・・・・・・(6)

を得る.さらに, V は任意の領域に取ることができることを考えると,

i r,t + t ρ r,t =0 ・・・・・・(7)

の関係式が得られる.これは微分形で表現された電荷保存則であり,連続の方程式とも呼ばれる.特に,定常電流の場合には i r,t および ρ r,t はともに時間に依存しない.したがって(7)式から,

i r =0 ・・・・・・(8)

となる.

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2026年2月16日