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3次元空間において,原点 O を通る任意の回転軸(軸方向の単位ベクトルを nn とする)の周りに,位置ベクトル rr を角 θθ だけ回転させる回転行列を Rn(θ)Rn(θ) とすると,回転後の位置ベクトル r′r′ は
r′=Rn(θ) rr′=Rn(θ)r
と表される.直交座標系において,回転軸方向の単位ベクトルを n=(n1 , n2 , n3)n=(n1,n2,n3) とすると,この回転行列は次式となる.
Rn(θ)=(n21(1−cosθ)+cosθn1n2(1−cosθ)−n3sinθn1n3(1−cosθ)+n2sinθn1n2(1−cosθ)+n3sinθn22(1−cosθ)+cosθn2n3(1−cosθ)−n1sinθn1n3(1−cosθ)−n2sinθn2n3(1−cosθ)+n1sinθn23(1−cosθ)+cosθ)Rn(θ)=⎛⎜ ⎜⎝n21(1−cosθ)+cosθn1n2(1−cosθ)−n3sinθn1n3(1−cosθ)+n2sinθn1n2(1−cosθ)+n3sinθn22(1−cosθ)+cosθn2n3(1−cosθ)−n1sinθn1n3(1−cosθ)−n2sinθn2n3(1−cosθ)+n1sinθn23(1−cosθ)+cosθ⎞⎟ ⎟⎠
【 導出 】
r′=r cosθ+(1−cosθ)(r⋅n) n+(n×r) sinθr′=rcosθ+(1−cosθ)(r⋅n)n+(n×r)sinθ --- (1)
である.ベクトル射影の表現行列より
(r⋅n) n=nnt r =(n1n2n3)(n1n2n3) r =(n21n1n2n1n3n1n2n22n2n3n1n3n2n3n23)r
および,ベクトル積の表現行列より
n×r=[n]×r =(0−n3n2n30−n1−n2n10)r
であるので,(1) は行列表現において
r′={cosθ I+(1−cosθ) nnt+sinθ [n]×} r
と表せる( I は単位行列).したがって,回転行列
Rn(θ)=cosθ I+(1−cosθ) nnt+sinθ [n]×
=cosθ (100010001)
+(1−cosθ) (n21n1n2n1n3n1n2n22n2n3n1n3n2n3n23)
+sinθ (0−n3n2n30−n1−n2n10)
=(n21(1−cosθ)+cosθn1n2(1−cosθ)−n3sinθn1n3(1−cosθ)+n2sinθn1n2(1−cosθ)+n3sinθn22(1−cosθ)+cosθn2n3(1−cosθ)−n1sinθn1n3(1−cosθ)−n2sinθn2n3(1−cosθ)+n1sinθn23(1−cosθ)+cosθ)
が得られる.また,ロドリゲスの回転公式のベクトル表記より
r′=r+(n×r) sinθ+(1−cosθ){(r⋅n)n−r} --- (2)
とも書けるので, n21+n22+n23=1 を考慮すると
(r⋅n)n−r=(nnt−I)r
=(n21−1n1n2n1n3n1n2n22−1n2n3n1n3n2n3n23−1)r
=(−n22−n23n1n2n1n3n1n2−n23−n21n2n3n1n3n2n3−n21−n22)r
=(0−n3n2n30−n1−n2n10)2r
=[n]2×r
より,(2) は行列表現において
r′={I+sinθ [n]×+(1−cosθ) [n]2×} r
と表せる.したがって,回転行列は
Rn(θ)=I+sinθ [n]×+(1−cosθ) [n]2×
とも書ける.