理想気体と実在気体

ある気体を圧力一定のまま絶対零度まで冷却すると,ボイル・シャルルの法則から理論上では体積が0となってしまう.しかし,現実では気体の構成分子や原子自体の体積が存在しているはずであり,体積が0になることはあり得ない.また,温度を下げていく過程で分子間力の影響で、状態変化を起こすことが予想される.そこで,便宜上気体分子や原子の大きさがなく、分子間力もない仮想の気体を考える.これを理想気体 (ideal gas) という.

一方で,現実世界では気体分子や原子の大きさや分子間力を無視することはできない.このような気体を実在気体 (real gas) という.しかし,実在気体であっても,常温,常圧付近であれば理想気体に近い振る舞いをするため,標準状態でも理想気体と見なすことができる.



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学生スタッフ作成

2022年2月7日