波の反射 (reflection)
2つの異なる媒質が接している境界面に向かって,片方の媒質中を進む波がその境界面に当たると,波は境界面で反射する(一般に,波の一部が反射し,残りはもう片方の媒質中に進んで行く(屈折)).境界面の法線と入射線(入射波の向きを表す線)とのなす角を入射角 (angle of incidence),法線と反射線(反射波の向きを表す線)とのなす角を反射角 (angle of reflection)といい,これら2つの角は等しい(反射の法則 (law of reflection)).
★ ホイヘンスの原理による「反射」の作図と説明
媒質1の中を進む平面波(波面
AB
,入射線
a
,
b
,速さ
v1
)が入射角
i
で境界面に当たり,反射角
j
で反射して反射波(波面
CD
反射線
a′
,
b′
,速さ
v1
)となる.ホイヘンスの原理に則った下記の手順で作図すると,反射の法則が成り立つことがわかる.
(1)
入射波面
AB
をひく.(
AB⊥a,b
)
入射線
a
上の素元波が点
A
に達したとき,入射線
b
上の同位相の素元波は点
B
にある.その素元波が点
B
から点
D
に到達するまでにかかる時間を
t
とすると,
BD=v1t
である.
(2)
点
A
を中心に半径
BD=AC
の半円をひく.
点
A
にあった素元波は時間
t
だけ経過する間に,半径
AC
の半球面上まで広がる.
(3)
点
D
から半径
AC
の半円に接線
DC
をひく.(
DC⊥AC
)
AD
上に中心をもつ無数の素元波の半球面に接する共通面(包絡面)
CD
が,入射波面
AB
の,時間
t
だけ経過した後の反射波面である.
(4)
CD
に垂直に反射線
a′
,
b′
をひく.
入射線
a
,
b
の反射線は,それぞれ
a′
,
b′
となる.
△ABD
と
△ACD
において
AD
は共通であり,
AC=BD=
v1t
となるので,
△ABD≡△ACD
である.よって,反射の法則が成り立つことが分かる.
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学生スタッフ作成
2021年12月14日