2体連成振動
2体連成振動
3つのバネで連結した2つの物体の運動
左壁と物体Aを結ぶバネをバネ1,物体間を結ぶバネをバネ2,物体Bと右壁を結ぶバネをバネ3とし,それぞれの間には物体の速度に比例する抵抗力を与えるダンパーが存在するとする.
物体A(質量
m
A
〔kg〕)と物体B(質量
m
B
〔kg〕)の運動方程式
mA
d2
xA
d
t2
=−
k1
xA
−
k2
(
xA
−
xB
)−
b1
vA
−
b2
(
vA
−
vB
)
mB
d2
xB
d
t2
=−
k2
(
xB
−
xA
)−
k3
xB
−
b2
(
vB
−
vA
)−
b3
vB
xA
,
xB
〔m〕:物体A,物体Bの変位
vA
,
vB
〔m/s〕:物体A,物体Bの速度
k1
,
k2
,
k3
〔N/m〕:バネの弾性定数
b1
,
b2
,
b3
〔N・s/m〕:ダンパーの減衰定数
ダンパーで消費される単位時間当たりのエネルギー〔J/s〕
−
dE
dt
=
b
1
v
A
2
+
b
2
(
vA
−
vB
)
2
+b
v
B
2
|
xA
=
CA
e
αt
,
xB
=
CB
e
αt
とおき,運動方程式に代入して整理すると次の連立方程式を得る.
mA
α2
CA
+(
b1
+
b2
)α
CA
+(
k1
+
k2
)
CA
−
b2
α
CB
−
k2
CB
=0
−
b2
α
CA
−
k2
CA
+
mB
α2
CB
+(
b2
+
b3
)α
CB
+(
k2
+
k3
)
CB
=0
上の2式を行列で表すと次式となる.
(
mA
α2
+(
b1
+
b2
)α+
k1
+
k2
−
b2
α−
k2
−
b2
α−
k2
mB
α2
+(
b2
+
b3
)α+
k2
+
k3
)(
CA
CB
)=0
非自明な解をもつ条件は
|
mA
α2
+(
b1
+
b2
)α+
k1
+
k2
−
b2
α−
k2
−
b2
α−
k2
mB
α2
+(
b2
+
b3
)α+
k2
+
k3
|=0
であり,この
α
についての4次方程式の解
αi
(
i=1∼4
)とそれに対応する連立方程式の解
C
Ai
,
C
Bi
を用いて,運動方程式の一般解は
xA
=
∑
i=1
4
C
Ai
e
αi
t
,
xB
=
∑
i=1
4
C
Bi
e
αi
t
と求まる.連立方程式の解
C
Ai
,
C
Bi
は一意に求まらないので,初期条件によって一意に決定する.
また,4次方程式の解は一般に複素数であり,実数係数の方程式の場合,必ず共役複素数の解(
α=a±ib
)となる.物理的には,複素解では減衰振動となり,実数解では過減衰や臨界減衰(重根の場合)となる.
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