補数による減算

■負の数の表現

コンピュータでは，負の数を扱えない．そこで補数によって負の数を表現する．

ある正の2進数 $3$\displaystyle{n}$ に対して

$3$\displaystyle{ - n= }$ ( $3$n$ の補数)

と定義する．

10進数で $3$\displaystyle{ - 7 }$ から7に対応する2進数の値を4桁で下表に示す．

すなわち，4桁まで扱えるコンピュータを考える．

10進数で1から7までの正の値の2進数の4桁目は0になっている．

そのため，2の補数では4桁目が1となる．

つまり，負の数は最上位桁が1となっていることがわかる．

10進数	-7	-6	-5	-4	-3	-2	-1	0	1	2	3	4	5	6	7
2進数	1001	1010	1011	1100	1101	1110	1111	0000	0001	0010	0011	0100	0101	0110	0111

■補数による計算

2の補数を，負の数と表現することで加算を足し算で行える．

例えばある正の2進数 $3$\displaystyle{n}$ があるとする．

$3$\displaystyle{ n+ }$ $3$\left({n$ の $3$2$ 補数 $3$\left.{}\right\)$ $3$\displaystyle{ =\hspace{1}{ $100\cdot \cdot \cdot \cdot 0$ }_{2} }$ →補数の定義

$3$\displaystyle{ n=\hspace{1}{ $100\cdot \cdot \cdot \cdot 0$ }_{2}- }$ $3$\left({n$ の $3$2$ 補数 $3$\left.{}\right\)$ ･･････(1)

補数の定義より， $3$\displaystyle{n}$ を補数で表せる．

$3$\displaystyle{ \hspace{1}{ $0101$ }_{2}- \hspace{1}{ $0010$ }_{2} }$ $3$\displaystyle{ =\hspace{1}{ $0101$ }_{2}- \{ \hspace{1}{ $ 10000 $ }_{2}- \hspace{1}{ $ 1110 $ }_{2} \} }$ $3$\displaystyle{}$

(∵(1))

= $3$\displaystyle{ \hspace{1}{ $0101$ }_{2}+\hspace{1}{ $ 1110 $ }_{2}- \hspace{1}{ $ 10000 $ }_{2} }$

$3$\displaystyle{=\hspace{1}{ $ 10011 $ }_{2}- \hspace{1}{ $ 10000 $ }_{2}}$

$3$\displaystyle{=\hspace{1}{ $ 0011 $ }_{2}}$

なので，減算を2の補数で行える．

また， $3$\displaystyle{- \hspace{1}{ $ 10000 $ }_{2}}$ は(桁数＋1)を桁打ち消すものである．

あふれた桁を無視すれば同じ処理となる．

普通の計算
補数を使った計算

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最終更新日： 2025年4月25日