気柱の振動

細長い管内の気体のことを気柱といい，リコーダーなどの管楽器では，気柱が振動することによって音が生じている．このとき，管内の音波（気柱の振動）が両端で反射することで定在波（定常波）が発生し，気柱の固有振動となって，その管に特有の音が鳴る．

気柱の振動については，管の一端を閉じた閉管の場合と，両端の開いた開管の場合を考える必要がある．管の端が開いていても，管内の気体と管外の気体は管の端を境界としてあたかも異なる媒質とみなすことができる．

■ 閉管の場合

閉じている管の端（閉口端）では気体が振動できないので，固定端反射が起こり，定在波の節となる．もう片方の開いている端（開口端）では気体は自由に動けるため，自由端反射が起こり，定在波の腹となる．閉管の長さを $3$\displaystyle{L}$ $3$\displaystyle{\[\text{m}\]}$ とすると，閉管内の気柱の固有振動の波長 $3$\displaystyle{\hspace{1}{λ}_{m}}$
TeXに変換設定していない数学記号や，特殊文字が含まれています。今後直していきます。
$3$\displaystyle{\[\text{m}\]}$ ( $3$\displaystyle{m}$ ：奇数) は

$3$\displaystyle{ \hspace{1}{λ}_{m}=\frac{\hspace{2} 4L \hspace{2}}{\hspace{2}m\hspace{2}} }$
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$3$\displaystyle{ $m=1,3,5,\cdots $ }$

である（下図左側参照）． $3$\displaystyle{m=1}$ のときの固有振動を基本振動といい，閉管においては，その奇数倍振動（ $3$\displaystyle{m=3,5,7,\cdots }$ ）のみが許される．管内の音の速さを $3$\displaystyle{V}$ $3$\displaystyle{\[\text{m}/\text{s}\]}$ とすると，気柱の固有振動（ $3$\displaystyle{m}$ 倍振動）の振動数は

$3$\displaystyle{ \hspace{1}{f}_{m}=\frac{\hspace{2}V\hspace{2}}{\hspace{2} \hspace{1}{λ}_{m} \hspace{2}} }$
TeXに変換設定していない数学記号や，特殊文字が含まれています。今後直していきます。
$3$\displaystyle{ =m\cdot \frac{\hspace{2}V\hspace{2}}{\hspace{2} 4L \hspace{2}} }$ $3$\displaystyle{ =m\hspace{1}{f}_{1} }$

と表される．

■ 開管の場合

開管の両端は開口端であるので，両端ともに自由端反射が起こり，定在波の腹となる．開管の長さを $3$\displaystyle{L}$ $3$\displaystyle{\[\text{m}\]}$ とすると，開管内の気柱の固有振動の波長 $3$\displaystyle{\hspace{1}{λ}_{n}}$
TeXに変換設定していない数学記号や，特殊文字が含まれています。今後直していきます。
$3$\displaystyle{\[\text{m}\]}$ ( $3$\displaystyle{n}$ ：自然数) は

$3$\displaystyle{ \hspace{1}{λ}_{n}=\frac{\hspace{2} 2L \hspace{2}}{\hspace{2}n\hspace{2}} }$
TeXに変換設定していない数学記号や，特殊文字が含まれています。今後直していきます。
$3$\displaystyle{ $n=1,2,3,\cdots $ }$

である（下図右側参照）． $3$\displaystyle{n=1}$ のときの固有振動を基本振動といい，管内の音の速さを $3$\displaystyle{V}$ $3$\displaystyle{\[\text{m}/\text{s}\]}$ とすると， $3$\displaystyle{n}$ 倍振動の振動数は

$3$\displaystyle{ \hspace{1}{f}_{n}=\frac{\hspace{2}V\hspace{2}}{\hspace{2} \hspace{1}{λ}_{n} \hspace{2}} }$
TeXに変換設定していない数学記号や，特殊文字が含まれています。今後直していきます。
$3$\displaystyle{ =n\cdot \frac{\hspace{2}V\hspace{2}}{\hspace{2} 2L \hspace{2}} }$ $3$\displaystyle{ =n\hspace{1}{f}_{1} }$

と表される．

上図の左側は閉管における気柱の固有振動，右側は開管における気柱の固有振動を表す．青実線と青破線は，各々，定在波の腹が最大に振れたときとその半周期後の媒質の変位を表している（縦波の横波表示）．

実際には，開口端における定在波の腹の位置は管口よりわずかに外側に出ており，管口からその腹の位置までの距離を開口端補正という．

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最終更新日：2025年11月14日