離心率 (eccentricity)

0ε<1 :楕円
ε=1 :放物線
ε>1 :双曲線
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平面における点 P について,定点 F までの距離を PF ,点 F を通らない直線 L までの距離を PH とする( H は点 P から直線 L におろした垂線との交点).このとき, PF PH との比が一定である点 P の軌跡は2次曲線を表し,その比を離心率 (eccentricity) という.

離心率 ε= PFPH     ······ (1)

また, F 焦点 (focus) L 準線 (directrix) という.離心率 ε により,2次曲線は以下のように分類される.

ε1 について,軌道長半径 (semi-major axis) α ,軌道短半径 (semi-minor axis) β (α) とすると

楕円 ( 0ε<1 ) の離心率: ε= α2β2 α     ······ (2)

双曲線 ( ε>1 ) の離心率: ε= α2+β2 α     ······ (3)

である.


■ 2次曲線の式の導出

焦点 F を原点 O にとり,点 P の座標を (x,y) とし,直線 x=h を準線 L とする( h>0 ).このとき,距離 PF= x2+y2 ,距離 PH=|x+h| であるので,離心率 ε

ε= PFPH = x2+y2 |x+h|     ······ (4)

と表せる.したがって,上式を整理すると

ε|x+h| = x2+y2

   ε2 (x+h)2 =x2+y2

   ( 1ε2 )x2 +y2 2hε2x h2ε2 =0     ······ (5)

となり,2次曲線の式が得られる.

楕円の場合 ( 0ε<1 )

式(5)より

( 1ε2 ) ( x hε2 1ε2 ) 2 +y2 h2ε2 1ε2 =0

   ( x hε2 1ε2 ) 2 ( hε 1ε2 ) 2 + y2 ( hε 1ε2 ) 2 =1     ······ (6)

のように中心 ( hε2 1ε2 ,0 ) 楕円の方程式として表せるので,軌道長半径 α と軌道短半径 β

α= hε 1ε2  ,    β= hε 1ε2     ······ (7)

となる.上の2式から h を消去すると

βα= 1ε2       ε= α2β2 α

となり,式(2)を得る.

放物線の場合 ( ε=1 )

式(5)より

y2= 2h (x+h2)     ······ (8)

のように頂点 ( h/2,0 ) 放物線として表せる.

双曲線の場合 ( ε>1 )

式(5)より

( ε21 ) ( x+ hε2 ε21 ) 2 y2 h2ε2 ε21 =0

   ( x+ hε2 ε21 ) 2 ( hε ε21 ) 2 y2 ( hε ε21 ) 2 =1     ······ (9)

のように中心 ( hε2 ε21 ,0 ) 双曲線の方程式として表せるので,軌道長半径 α と軌道短半径 β

α= hε ε21  ,    β= hε ε21     ······ (10)

となる.上の2式から h を消去すると

βα= ε21       ε= α2+β2 α

となり,式(3)を得る.


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最終更新日:2025年10月24日