対偶を利用する証明

命題「 p q 」が真であることの証明が困難な場合,対偶の性質

命題「 p q 」とその対偶 「 q ¯ p ¯ 」の真偽は一致する.

より,対偶「 q ¯ p ¯ 」が真であることを証明すると,命題「 p q 」が真であることが証明できたことになる.

■事例

対偶を利用した証明でよく例に挙がっているのが

整数 n において, n 2 が偶数であるならば, n は偶数である.

という命題が真であることの証明である.

上記の命題を,「 p q 」に対応させると

p n 2 は偶数である.

q n は偶数である.

「整数 n において」は,命題が取り扱う要素の全体集合を指定している.

となる.

n n 2 の関係を表で示す.

n 2 1 0 1 2 3 4 5 6
n 2 4 1 0 1 4 9 16 25 36

表を見ると,命題は真でありそうである.

命題が真であることを証明するためには, p の「 n 2 が偶数である」を式で表わす必要がでてくる. n 2 が偶数であるので

n 2 = 2

と, の中に, n 2 が, 4 1 4 9 16 36 と変化するような整数 k を含む式を入れなければならない.しかし,その式を見つけるのは容易でない.

そこで,発想を変えて,命題「 p q 」と真偽が一致する対偶「 q ¯ p ¯ 」が真であることの証明を考えることにする.

q の否定は

q ¯ n は 偶数でない.言い換えると, n は奇数である.

となり, p の否定は

p ¯ n 2 は偶数でない,言い換えると, n 2 は奇数である.

となる.したがって,対偶は

整数 n において, n が奇数であるならば, n 2 は奇数である.

となる.

対偶が真であることを,以下で証明する.

n が奇数であることより

n = 2 k + 1   ( k は整数)

とおくと

n 2 = 2 k + 1 2

= 4 k 2 + 4 k + 1

= 2 2 k 2 + 2 k + 1

となり, n 2 2 の倍数に 1 を足したものになり,奇数になっている.

よって,対偶が真であることが証明された.

このことより,命題

整数 n において, n 2 が偶数であるならば, n は偶数である.

も真である.

 

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最終更新日 2026年1月6日