命題「 」が真であることの証明が困難な場合,対偶の性質
命題「 」とその対偶 「 」の真偽は一致する.
より,対偶「 」が真であることを証明すると,命題「 」が真であることが証明できたことになる.
対偶を利用した証明でよく例に挙がっているのが
整数 において, が偶数であるならば, は偶数である.
という命題が真であることの証明である.
上記の命題を,「 」に対応させると
: は偶数である.
: は偶数である.
「整数 において」は,命題が取り扱う要素の全体集合を指定している.
となる.
と の関係を表で示す.
表を見ると,命題は真でありそうである.
命題が真であることを証明するためには, の「 が偶数である」を式で表わす必要がでてくる. が偶数であるので
と, の中に, が, , , , , , と変化するような整数 を含む式を入れなければならない.しかし,その式を見つけるのは容易でない.
そこで,発想を変えて,命題「 」と真偽が一致する対偶「 」が真であることの証明を考えることにする.
の否定は
: は 偶数でない.言い換えると, は奇数である.
となり, の否定は
: は偶数でない,言い換えると, は奇数である.
となる.したがって,対偶は
整数 において, が奇数であるならば, は奇数である.
となる.
対偶が真であることを,以下で証明する.
が奇数であることより
( は整数)
とおくと
となり, は の倍数に を足したものになり,奇数になっている.
よって,対偶が真であることが証明された.
このことより,命題
整数 において, が偶数であるならば, は偶数である.
も真である.
最終更新日 2026年1月6日