概念問題 解答

微積分学 極限

問題1の解答

関数 y= x に関して, x=0 における関数の連続性と微分可能性について調べる.

関数 f( x ) x=a で連続であるための条件は

lim xa f( x )=f( a )  ・・・・・・(1)

である(参考ページ).

関数 f( x ) x=a で微分可能であるための条件は

lim h 0 f ( a + h ) f ( a ) h が存在すること ・・・・・・(2)

である(参考ページ).

y= x = x x0 x x<0

より, x0 x<0 に分けて考えるとよい.

●連続性について

lim x+0 x = lim x+0 x=0

lim x0 x = lim x0 x =0

となる.よって

lim x+0 x = lim x0 x

となり右側極限と左側極限が等しくなり, lim x0 x は存在し

lim x0 x =0  ・・・・・・(3)

となる.一方

0 =0  ・・・・・・(4)

である.(3),(4)より,(1)が成り立っている.したがって,関数 y= x x=0 において連続である.

●微分可能性について

lim h+0 0+h 0 h = h h =1

lim h0 0+h 0 h = h h =1

となる.よって

lim h+0 0+h 0 h lim h0 0+h 0 h

となり右側極限と左側極限が異なるため, lim x0 x は存在しない.

したがって,関数 y= x x=0 において微分可能でない.

以上より,答えは2となる.

簡単に説明すると,関数 y= x x=0 で,グラフが繋がっているので連続であるが,接線の傾きが定まらないので,微分可能でない.