遠心力 (centrifugal force)

図のように,静止系(慣性系 x y 座標系)において角速度 ω で半径 R の円運動している質量 m の物体(赤丸)には,物体の速度に垂直で円の中心を向いている大きさ mR ω2 向心力 (centripetal force) f1 が働いており,その作用により回転運動を実現している.

一方,この物体と共に回転する回転座標系( xy 座標系)において物体は静止しており,向心力と釣り合う力 f2 が作用しているように見える.この見かけの力 f2 は,向心力 f1 と大きさが等しく方向が逆向きであり( f2 = f1 ),物体を回転の中心から遠ざける向きに作用することから 遠心力 (centrifugal force) と呼ばれる.遠心力 f2 は慣性系に対して回転している回転座標系(非慣性系)における慣性力の一つである.


角速度 ω で回転している円盤上に静止している物体を,円盤と一緒に回転している観測者から見ると,物体には向心力 f1 と釣り合う遠心力 f2 が作用しているように感じる.

半径 R の円運動の速さは v=Rω と表せるので,向心力及び遠心力の大きさは

| f1 | = | f2 | = mv2 R

となる.円軌道に限らず,曲線軌道を速さ v で運動している質量 m の物体には,その曲線軌道の曲率半径を R とすると,その物体と共に運動する非慣性系において,大きさ mv2 R の遠心力が作用している.


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