磁場(磁界) の可視化に磁力線を用いたのと同様に,磁束密度 の様子を可視化するためには磁束線 (line of magnetic induction)を用いる.磁束線の描き方は磁力線と同じであり, 極から出て 極へ入り,その向きに矢印をつけて表す.ただし,磁束密度の大きさが の場所では,磁束密度の方向と垂直な断面を通る磁束線を, 当たり 本の割合で引く.よって,磁束密度 が一様な磁場では, に垂直な面積 の平面 を貫く磁束線の本数は
となり,これを平面 の磁束 (magnetic induction)という.磁束密度の単位が であるので,磁束の単位は磁気量と同じ を用いる.また,磁束密度はベクトル量であるが,磁束は大きさだけを表すスカラー量である.
磁束線と直交しない平面(面積 )の場合は,この平面の法線と磁束密度のなす角を として,磁束は と表せる.よって,面の法線ベクトルを として というベクトル量を定義すると,磁束は と の内積 ( )で定義することができる.
ちなみに,磁束の単位が磁気量の単位と同じ であるのは,磁気量 の磁極から生じる磁束線の本数を としているからである.磁気量 の磁極を中心とする半径 の球面上の磁場の強さは
であるので,磁束密度の大きさは
である.したがって,半径 の球面(表面積 )を貫く磁束線の本数は
となる.したがって,磁気量 の磁極から生じる磁束が ということである.
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2023年12月21日