磁石が互いに引き合ったり,反発したりするときに, 磁極と磁極との間ににはたらく力を磁気力 (magnetic force) という.この磁気力の大きさは2つの磁極の強さ(磁気量) (magnetic charge) に依存し,磁気量の単位にはウェーバ を用いる.
磁気量の等しい2つの磁極を真空中で 離して置いたときに,これらの磁極間にはたらく磁気力の大きさが であるような磁気量を と定める.また, 極の磁気量の符号を正, 極の磁気量の符号を負にとるため, 極のことを正極, 極のことを負極ということもある.
磁気量がそれぞれ , の磁極間にはたらく磁気力 は次式で表され,磁気量の積 に比例し,磁極間の距離 の 乗に反比例する.
( :比例定数)
これを磁気力に関するクーロンの法則といい,静電気力に関するクーロンの法則の式と同様の形をしている.磁気力は2つの磁極を結ぶ直線方向にはたらき,上式の符号が正のときには斥力,負のときには引力となる.
比例定数 は磁極のまわりの物質の種類により異なる値をとる.上述の磁気量の定義から の値は,真空中で
となる.
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学生スタッフ作成
2023年10月27日