物質が外部の磁場(磁界)の影響を受けて,磁石の性質を帯びることを磁化 (magnetization)という.鉄が磁石に引き寄せられるのは,磁石がつくる磁場によって鉄が磁石の性質を帯び,磁石の磁極から磁気力を受けるためである.
物質内部にはたくさんの微小な磁石が存在すると考えられ,磁化していない物質は,これらの微小磁石の向きがバラバラであるため,全体として磁石の性質をもたない.物質を磁場中に置くと,物質内の微小磁石の向きが磁場の影響で揃えられて磁化が起こる.図中の青矢印 は磁化の向きを表している.
磁化の度合いは物質によって異なり,その度合いに応じて常磁性体 (paramagnetic substance),反磁性体 (diamagnetic substance), 強磁性体 (ferromagnet)の3つに分類される.
分類 | 常磁性体 | 反磁性体 | 強磁性体 |
---|---|---|---|
磁化の度合い | 外部の磁場の向きにわずかに磁化される. | 外部の磁場と逆向きに弱く磁化される. | 外部の磁場の向きに強く磁化される. |
例 | アルミニウム,空気など | 水,銅,水素,グラファイトなど | 鉄,コバルト,ニッケルなど |
強磁性体には,外部磁場を取り除いた後も磁化が残り,永久磁石 (permanent magnet)になるものがある.
ホーム>>物理>>第4編 電気と磁気>>第3章 電流と磁場>>磁化
学生スタッフ作成
2023年11月30日