全反射 (total reflection)

光が光学的に密な媒質 2 (屈折率 n 2 )から疎な媒質 1 (屈折率 n 1 )に入射する場合, θ 2 < θ 1 の屈折をする(一部は反射).入射角 θ 2 が大きくなると屈折角 θ 1 の方が先に 90 ° に達する. θ 1 = 90 ° となるときの θ 2 = θ c 臨界角 (critical angle)という. θ 2 > θ c で屈折光はなくなり光は 100 % 反射する.この現象を全反射 (total reflection)という.このとき,屈折の法則より

n 12 = n 2 n 1 = sin 90 ° sin θ c      sin θ c = n 1 n 2

が成り立つ.特に,媒質 1 が空気の場合

sin θ c = 1 n 2
となる(空気の絶対屈折率はほぼ 1 なので,上式が成り立つとしてもよい).

例)空気に対する臨界角
    水(屈折率 1.335 )の θ c = 48.5 °
    ガラス(屈折率 1.5 )の θ c 42 °


◆ 直角プリズム
図のガラス製の直角プリズムにおいて,直角の一辺に垂直に入射した光は斜辺に対する入射角が 45 ° となり,ガラス(屈折率〜1.5)の臨界角 42 ° より大きくなるので全反射する.直角プリズムは全反射を利用して光を弱めずに方向を変えるのに利用される.


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最終更新日: 2025年10月24日