遠心力

図のように，静止系（慣性系： $3$\displaystyle{ {x}^{\prime }{y}^{\prime } }$ 座標系）において角速度 $3$\displaystyle{{\omega}}$ で半径 $3$\displaystyle{R}$ の円運動している質量 $3$\displaystyle{m}$ の物体（赤丸）には，物体の速度に垂直で円の中心を向いている大きさ $3$\displaystyle{ mR{{\omega}}^{2} }$ の向心力 $3$\displaystyle{ \hspace{1}{\mathbb{f}}_{1} }$ が働いており，その作用により回転運動を実現している．

一方，この物体と共に回転する回転座標系（ $3$\displaystyle{ xy }$ 座標系）において物体は静止しており，向心力と釣り合う力 $3$\displaystyle{\hspace{1}{\mathbb{f}}_{2}}$ が作用しているように見える．この見かけの力 $3$\displaystyle{ \hspace{1}{\mathbb{f}}_{2} }$ は，向心力 $3$\displaystyle{ \hspace{1}{\mathbb{f}}_{1} }$ と大きさが等しく方向が逆向きであり（ $3$\displaystyle{ \hspace{1}{\mathbb{f}}_{2}=- \hspace{1}{\mathbb{f}}_{1} }$ ），物体を回転の中心から遠ざける向きに作用することから遠心力と呼ばれる．遠心力 $3$\displaystyle{\hspace{1}{\mathbb{f}}_{2}}$ は慣性系に対して回転している回転座標系（非慣性系）における慣性力の一つである．

角速度 $3$\displaystyle{{\omega}}$ で回転している円盤上に静止している物体を，円盤と一緒に回転している観測者から見ると，物体には向心力 $3$\displaystyle{\hspace{1}{\mathbb{f}}_{1}}$ と釣り合う遠心力 $3$\displaystyle{\hspace{1}{\mathbb{f}}_{2}}$ が作用しているように感じる．

半径 $3$\displaystyle{R}$ の円運動の速さは $3$\displaystyle{ v=R{\omega} }$ と表せるので，向心力及び遠心力の大きさは

$3$\displaystyle{ \| \hspace{1}{\mathbb{f}}_{1} \| = \| \hspace{1}{\mathbb{f}}_{2} \| =\frac{\hspace{2} m{v}^{2} \hspace{2}}{\hspace{2}R\hspace{2}} }$

となる．円軌道に限らず，曲線軌道を速さ $3$\displaystyle{v}$ で運動している質量 $3$\displaystyle{m}$ の物体には，その曲線軌道の曲率半径を $3$\displaystyle{R}$ とすると，その物体と共に運動する非慣性系において，大きさ $3$\displaystyle{ \frac{\hspace{2} m{v}^{2} \hspace{2}}{\hspace{2}R\hspace{2}} }$ の遠心力が作用している．

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