ロピタルの定理
関数,が下記に示すi,ii,iiiの条件を満たし,の不定形で, が収束,あるいは,
のとき
が成り立つ.
を含む開区間I(
を除くことも可能である)で,関数
,
が微分可能で,
である.
,
,あるいは,
,
である.
が存在(
でもよい)する.
■証明
I.
を含む開区間Iにおいて,関数
,
が微分可能,
で,
,,かつ,
が存在する特殊な場合
,
より以下のように式を変形することができる.
微分係数の定義式より
を含む開区間Iにおいて,関数
,
が微分可能より
,
が連続であることから
となる.
II.
を含む開区間I(
を除くことも可能である)において,関数
,
が微分可能,
で,,ではあるが
,とならず,かつ,
が存在する特殊な場合
以下に示す関数を導入する.
, ・・・・・・(1)
(
,
は
で連続)
証明Iより
・・・・・・(2)
が成り立つ.
・
の場合について
(1)より
,
となり,(2)を(3)のように書き換えることができる.
・・・・・・(3)
・
の場合について
(1)より
,
となり,(2)を(4)のように書き換えることができる.
・・・・・・(4)
(3)と(4)を合わせると
が成り立つ.
III.
を含む開区間I(
を除くことも可能である)において,関数
,
が微分可能,
で,
,,かつ,
が存在する(
でもよい)場合
・・・・・・(5)
とおく.(5)をε-δ論法で言い換えると
「
を任意に1つ選び固定する.この
に対して,
を満たすある正の数
が存在する.」 ・・・・・・(6)
となる.
・
の場合
閉区間でコーシーの平均値の定理を適用すると
・・・・・・(7)
を満たす
が存在する.
を
に近づけていくと,
も
に近づき,
となる.
このとき,(6)より
・・・・・・(8)
が成り立つ.
(7)を以下のように変形する.
・・・・・・(9)
(8)に(9)を代入する.
・・・・・・(10)
を固定し
の極限をとる.
のとき,
,
,
,
は有限の値なので,
,
となり,(10)は
となる.よって
のとき,
・・・・・・(11)
が成り立つ.
より
したがって
のとき,
すなわち
のとき,
・・・・・・(12)
成り立つ
・
の場合
閉区間
でコーシーの平均値の定理を適用すると
・・・・・・(13)
を満たすが存在する.
を
に近づけていくと,
も
に近づき,
となる.
このとき,(6)より
・・・・・・(14)
が成り立つ.
(13)を以下のように変形する.
・・・・・・(15)
(14)に(15)を代入する.
・・・・・・(16)
を固定し
の極限をとる.
のとき,
,
,
,
は有限の値なので,
,
となり,(16)は
となる.よって
のとき,
・・・・・・(17)
が成り立つ.
より
したがって
のとき,
すなわち
のとき,
・・・・・・(18)
成り立つ
(12)と(18)を合わせると
のとき,
すなわち
・・・・・・(19)
が成り立つ.
IY.
の場合
となる変数
と,
となる関数
,
を導入する.
,
のとき
である.
より
関数
,
は0を除く0の近傍で微分可能で,
である.・・・・・・(20)
また
より
が存在すると
も存在する.・・・・・・(21)
・
,
の時
のとき,
となることより
,
・・・・・・(22)
となる.(20),(21),(22)より(3)および(4)が適用でき
すなわち
・・・・・・(23)
が得られる.
・
,
の時
のとき,
となることより
,
・・・・・・(24)
となる.(20),(21),(24)より(12),(18)が適用でき
すなわち
・・・・・・(25)
が得られる.
【参考図書】
微分積分キャンパスゼミ 著者:高杉豊,馬場敬之 出版社:マセマ出版社
Calculus 7E 著者:James Stewart 出版社:Brooks/Cole Pub Co
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最終更新日:
2022年6月28日