2次の行列式の幾何学的な意味
2次の行列式の場合
行列式
の1列目と2列目を,それぞれ列ベクトルとして
,
とおくと,
の絶対値は平面ベクトル
,
を2辺とする平行四辺形の面積の値に等しい.
■導出
,
とおく.
と変形し,
とおくと,
となる.行列式はとの内積で表わされる.
との関係を行列を使って表わす.
より
となる.
行列は原点を中心に反時計回り,(時計回り)に回転させる回転行列である.
すなわちはの始点を回転の中心として時計回りに回転させたベクトルになる.
,,を座標平面に描くと図のようになる.
を原点を中心を反時計回りに回転させ重ねた時の回転角を
とすると,とのなす角は(ただし,)
となる.とのなす角は,
の時,,の時,
となる.
●でとのなす角がの場合
(,
⇒ここを参照)
・・・・・・(1)
●
−180°≤θ<−90°
で
a
1
と
a
2
′
のなす角が
θ+270°
の場合
a
11
a
12
a
21
a
22
=
a
1
·
a
2
′
=|
a
1
||
a
2
′
|cos(
θ+270°
)
=|
a
1
||
a
2
′
|cos(
θ+270°
)
=|
a
1
||
a
2
′
|cos(
θ+360°−90°
)
=|
a
1
||
a
2
′
|cos(
θ−90°
)
=|
a
1
||
a
2
′
|sinθ
=|
a
1
|(
|
a
2
|sinθ
)
・・・・・・(2)
(1),(2)より,いずれの場合も
a
1
⋅
a
2
=|
a
1
|(
|
a
2
|sinθ
)
となる.
|
a
1
|(
|
a
2
|sinθ
)
の絶対値は
a
1
と
a
2
を2辺とする平行四辺形の面積の値に等しい.
すなわち
|
a
c
b
d
|
の絶対値は
a
1
と
a
2
を2辺とする平行四辺形の面積の値に等しい.
|
a
c
b
d
|
の符号は
0°≤θ≤180°⇒
a
11
a
12
a
21
a
22
≥0
,
−180°≤θ<0°⇒
a
11
a
12
a
21
a
22
<0
となる.
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最終更新日:
2023年6月12日