背理法

背理法とは,命題が真であることを証明するために,命題が偽であると仮定し,その仮定に論理的な矛盾があることを導き,命題が真であることを証明する方法である.

■背理法を使った証明の事例

背理法を使った証明でよく例に挙がっているのが

2 無理数である.

という命題が真であることの証明である.

無理数とは,有理数でない実数のことで,2つの整数 m n n 0 )によって分数の形 m n で表すことのできない数のことである.よって,命題が真であることを証明することは

2 は2つの整数 m n n 0 )によって分数の形 m n で表すことができない

ことを証明することと同じである.

2 = m n の数式は取り扱いやすい.したがって

2 は2つの整数 m n n 0 )によって分数の形 m n で表すことができる.  ・・・・・・(1)

のように,命題が偽であると仮定した背理法を用いた証明の方が簡単そうである.

以下に,背理法を用いた証明を示す.

(1)を仮定する.すなわち

2 = m n   ・・・・・・(2)

ただし, m n 既約分数 m n 1 以外の公約数を持たないように約分している)

が成り立つと仮定する.

(2)より

2 2 = m n 2

2 = m 2 n 2

2 n 2 = m 2   ・・・・・・(3)

よって, m 2 偶数である.対偶を利用する証明の事例より, m も偶数になる.

m は偶数より

m = 2 k   ( k は整数 )  ・・・・・・(4)

と表わすことができる.

(3)に(4)を代入する.

2 n 2 = 2 k 2

2 n 2 = 4 k 2

n 2 = 2 k 2   ・・・・・・(5)

よって, n 2 が偶数である.同じく対偶を利用する証明の事例より, n も偶数になる.

以上より, m n は偶数になり, m n は, 2 で約分できる.よって, m n 既約分数という仮定に矛盾が生じ,(2)が成り立たない.

したがって, 2 は無理数である.

 

ホーム>>カテゴリー別分類>>その他>>背理法

最終更新日 2026年1月3日