約分（やくぶん）

分数の分母と分子に同じ数や式を掛けても割っても分数の値は変わらないという性質(分数式の計算測１)を用いて，分母と分子に共通する因数で分母と分子を割り，分母を簡単化する操作のことを約分するという．分母と分子が整数の場合，分母と分子の最大公約数で分母と分子を割って約分する．

●例1

${\displaystyle \frac{2}{6}}$ を約分すると

${\displaystyle \frac{1}{3}}$

になる．

手順を以下に示す．

${\displaystyle \frac{2}{6}=\frac{2\cdot 1}{2\cdot 3}=\frac{\left(2\cdot 1\right)/2}{\left(2\cdot 3\right)/2}=\frac{1}{3}}$　･･････(1)

分母と分子の最大公約数は $2$ であるので，分子と分をを $2$ で割っている．

(1)の計算手順で分母、分子を2で割る操作を(2)のように分母、分子の $2$ に斜線をいれて表現することがよくある．

${\displaystyle \frac{2}{6}=\frac{\cancel{2}\cdot 1}{\cancel{2}\cdot 3}=\frac{1}{3}}$　･･････(2)

　

●例２

${\displaystyle \frac{xy+xz}{x^{2}y}=\frac{\cancel{x}\left(y+z\right)}{\cancel{x}\cdot xy}}$${\displaystyle =\frac{y+z}{xy}}$ 　･･････(3)

分母と分子に共通する因数は $x$ であるので， 分母と分子を $x$ で割って約分している．分子の整式を因数分解するのが重要である．

(3)のような表現の代わりに、(4)のように分子の2項のそれぞれの $x$ に斜線をいれ，分母の $x^2$ の指数の $2$ に斜線を入れて約分の操作を表現する場合もある．

${\displaystyle \frac{xy+xz}{x^{2}y}=\frac{\cancel{x}y+\cancel{x}z}{x^{\cancel{2}}y}}$ ${\displaystyle =\frac{y+z}{xy}}$ 　･･････(4)

 

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最終更新日： 2024年10月3日