水平ばね振り子
図のように,水平な滑らかな床の上で,軽いばねの一端を壁に固定して,他端に質量
0.10 kg
の物体をつけて,ばねを水平方向に自然長から
0.10 m
伸ばしてから静かに放すと単振動を始めた.ここで,ばねはフックの法則に従うものとし,ばね定数を
0.40 N/m
として,
x
軸の正の向きを水平方向の右向き,ばねが自然長のときの物体の位置を原点とする.
(1)
時刻
t
[s]
での物体の位置を
x(t)
[m]
として,物体の運動方程式をたてよ.ただし,加速度を
d
2
x
d
t
2
[
m/s
2
]
とする.
解答
0.10
d
2
x
d
t
2
=−0.40x
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解説
ばねの自然長からの変化量を
x [ m ]
,ばね定数を
k [
N/m ]
とすると,フックの法則により,ばねにかかる弾性力は
−kx [ N ]
である.(参考:水平ばね振り子)
よって,物体の運動方程式は
0.10
d
2
x
d
t
2
=−0.40x
となる.
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解答
解説
運動方程式を整理すると
d
2
x
d
t
2
=−
k
m
x=−
0.40
0.10
x=−4.0x
⇒
d
2
x
d
t
2
+4.0x
=0
となり,
定数係数の2階同次線形微分方程式が得られる.
上式の特性方程式
λ
2
+4.0=0
⇒
λ
2
=−4.0
の解は
λ=±2.0i
である.
特性方程式の解が虚数になるので,一般解は
x(
t
)=
C
1
sin2.0t+
C
2
cos2.0t
となる.
この解を時刻
t
で微分すると,速度
vx(t)
=
dx
dt
=
2.0
C
1
cos2.0t−2.0
C
2
sin2.0t
を得る.ばねを
x
軸の正の向きに
x=0.10 m
まで伸ばして放すという初期条件より,
x(
0
)=
C
1
sin0+
C
2
cos0=
C
2
=0.10
となり,ばねを静かに放す(初速ゼロ)という初期条件より,
vx(
0
)=2
C
1
cos0−2
C
2
sin0=2
C
1
=0
⇒
C
1
=0
となる.よって,初期条件を満たす解は
x(
t
)=0.10cos2.0t
と求まる.
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解答
解説
物体が
で与えられる運動(単振動)をするとき,
A(
>0
)
は振幅にあたる.
(
2
)
より,物体は
x(
t
)=0.10cos2.0t
で単振動する.よって振幅は
0.10 m
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解答
解説
T=
2π
w
=
2π
2
=π=3.1 s
もしくは,
T=2π
m
k
=2π
0.10
0.40
=
2π2.0
=3.1 s
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(5)
ばねが自然長になったときの物体の速さを求めよ.
解答
解説
(2)
で求めた解
x(t)
=0.10cos2.0t
より,速度
vx(t)
=
dx
dt
=−0.20sin2.0t
である.自然長(
x=0
)のとき,
cos2.0t=0
なので,
sin2.0t=±1
である.よって,自然長になったときの物体の速さは
v=
−0.20sin2.0t
=
−0.20×
(±1)
=0.20 m/s
と求まる.
別の求め方として,力学的エネルギー保存則を用いる方法がある.振幅を
A
,自然長のときの物体の速さを
v
とすると,力学的エネルギー保存則
1
2
k
A
2
=
1
2
m
v
2
より,
v=A
k
m
=0.10
k
m
=0.10
0.40
0.10
=0.10⋅2.0
=0.20 m/s
と求まる.
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2020年12月22日