F - x
グラフと仕事 1
図1
滑らかで水平な床の上にある小物体に,水平方向の力
F 〔N〕
を加えた.この力の向きに
x
軸をとり,加える力
F 〔N〕
を位置
x [ m ]
に応じて変えると,図1に示すような
F - x
グラフが得られた.ここで,力は常に
x
軸に平行であるものとする.以下の問に答えよ.
(1)
位置
x=0 m
から
2.0 m
までに,この力が小物体にした仕事を求めよ.
解答
解説
図2
物体にはたらく
x
軸方向の力
F 〔N〕
が物体の位置
x [ m ]
によって変化する場合,初期位置を
x
i
[ m ]
,最終位置を
x
f
[ m ]
とすると,仕事は一般に
W=
∫
x
i
x
f
F(x)dx
のように積分で表される.これは図2に示すように,
F-x
グラフが
x
軸との間につくる面積に対応する(斜線部分).
図3
したがって,この問題の場合,小物体が位置
x=0 m
から
2.0 m
までに移動したときの仕事は,図3の斜線部分の台形の面積で表され,
3.0+5.0
2
⋅2.0=8.0 J
と求まる.
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(2)
位置
x=0 m
から
6.0 m
までに,この力が小物体にした仕事を求めよ.
解答
解説
図4
(1)
の解説で説明したように,小物体がした仕事は斜線部分の面積に対応する.
(1)
の解答から,位置
x=0 m
から
2.0 m
までの仕事は
W1=8.0
J
であり,位置
x=2.0 m
から
3.0 m
までの仕事
W2=
1.0+3.02
⋅1.0
=2.0 J
,
位置
x=3.0 m
から
4.0 m
までの仕事
W3=
1.0⋅1.0
=1.0 J
,
位置
x=4.0 m
から
6.0 m
までの仕事
W4=
1.0+5.02
⋅2.0
=6.0 J
となる.したがって,すべて足し合わせると
W1+
W2+
W3+
W4=
8.0+2.0+1.0
+6.0=17 J
と求まる.
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(3)
位置
x=0 m
において,小物体は
x
軸の正の向きに運動しており,そのときの小物体の運動エネルギーが
3.0 J
であった.位置
x=6.0 m
における小物体の運動エネルギーを求めよ.
解答
解説
(1)
の解説より,外力
F(x)
が位置
xi
から
xf
までに物体にした仕事は,
W=
∫
x
i
x
f
F(x)dx
で表された.
位置
xi
での速さを
vi
[m /s]
,位置
xf
での速さを
vf
[ m /s ]
とすると,この仕事
W
と運動エネルギーの関係は
W=
1
2
m
v
f
2
−
1
2
m
v
i
2
である.上式右辺の第1項目は位置
xf
での物体の運動エネルギー,第2項目は位置
xf
での物体の運動エネルギーである.この式より,
(2)
で求めた仕事
17 J
は,
x=0 m
から,
6.0 m
に移動したときの運動エネルギーの増分に対応することが分かる.したがって,位置
x=6.0 m
における小物体の運動エネルギーは
17 J+3.0 J=20 J
と求まる.
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2021年2月22日