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慣性力止まっていたバスが,進行方向前向きの加速度運動をすると,乗客は後ろ向きに力がはたらいているように感じる.逆に,動いていたバスが止まろうとすると,乗客は前向きに力がはたらくように感じる.この見かけの力を慣性力という. このように,慣性力は加速度と逆向きにはたらくので,物体の質量を m 〔kg〕 とし,加速度を →a 〔m/s2〕 とすると、慣性力は, −m→a と表される.ただし,-符号は慣性力が加速度と逆向きにはたらくことを意味する. 下図のように,加速度 →a 〔m/s2〕 で加速しながら直進しているバスがある.バス内の質量 m1 〔kg〕 のつり輪は斜めの状態でつり合っている.この状態を,加速中の車内から観察する場合と,地上から観察する場合から説明する. ●加速中の車内から観察する場合(非慣性系) 加速中の車内の観察者から見ると,つり輪はひもの張力 →T と重力 m1 →g と慣性力 −m1 →a でつりあって静止しており,つりあいの式は →T+m1→g+(−m 1→a)=0 ●地上から観察する場合(慣性系) 地上の観察者から見ると,質量 m1 〔kg〕 のつり輪は,バスと同じ加速度で動いており,つり輪には進行方向にの合力 →Fがはたらいている.この合力はひもの張力 →T と重力 m1 →g の和であり,ニュートンの運動方程式は m1→a=→T+m1→g となる. このように,非慣性系では運動方程式が成立していないため,つり合いの式を考える.一方,慣性系では運動方程式を考える. ホーム>>物理>>第1編 力と運動>>第4章 円運動と万有引力>>慣性力 学生スタッフ作成 2017年3月17日 |