図形の変換(複素平面)

図形の変換(複素平面)

■問題

ω = 2 z i + 3 とする. 複素平面において,点 z が直線 1 i z 1 + i z ¯ 2 i = 0 上を動くとき,点 ω はどのような図形を描くか.

■答

ω は,直線の方程式

1 i ω + 1 + i ω ¯ 2 = 0

で表わされる直線を描く.具体的に述べると

1 と点 3 2 i を通る直線

を描く.

■ヒント

直線の方程式複素数の積複素数の和

■解説

ω = 2 z i + 3 より

z = ω 3 2 i   ・・・・・・(1)

z ¯ = ω ¯ 3 2 i   ・・・・・・(2)

が得られる.

(1),(2)を直線の方程式に代入し,以下のように式変形をする.

1 i ω 3 2 i 1 + i ω ¯ 3 2 i 2 i = 0

1 i ω 3 + 1 + i ω ¯ 3 + 4 = 0

ω 3 ω i + 3 i + ω ¯ 3 + ω ¯ i 3 i + 4 = 0

1 i ω + 1 + i ω ¯ 2 = 0   ・・・・・・(3)

(3)は直線の方程式である.よって,点 ω は(3)で与えられる直線を描く

さらに詳しく調べる.

直線

1 i z 1 + i z ¯ 2 i = 0   ・・・・・・(4)

について

z = x + y i   ( x y は実数)  ・・・・・・(5)

とおくと

z ¯ = x y i   ・・・・・・(6)

となる.

(4),(5)を(3)に代入し,以下のように式変形をする.

1 i x + y i 1 + i x y i 2 i = 0

x + y i x i + y x + y i x i y 2 i = 0

2 x i + 2 y i 2 i = 0

x y + 1 = 0   ・・・・・・(7)

(6)は座標平面における直線の方程式の一般形になっている.

x = 0 のとき, y = 1

y = 0 のとき, x = 1

したがって,(3)の直線は,複素平面において,点 i と点 1 の2点を通る直線を表わす.

一方, ω = 2 z i + 3

複素平面において,点 z を原点を中心に時計回りに π 2 回転させた後,原点を中心に 2 倍に拡大(原点からの距離が 2 倍になることを意味する)し,更に実軸の正方向に 3 移動させたものが点 ω になる

ことを意味する.

よって,点 i は,点 1 に移動し,点 1 は点 3 2 i に移動する.

(3)が点 1 と点 3 2 i を通る直線か確認をする.

(3)に(5),(6)を代入し,以下のように式変形をする.

1 i x + y i + 1 + i x y i 2 = 0

x + y i x i + y + x y i + x i + y 2 = 0

2 x + 2 y 2 = 0

x + y 1 = 0   ・・・・・・(8)

(8)は座標平面における直線の方程式の一般形になっている.

x = 1 のとき, y = 0

x = 3 のとき, y = 2

となり,(8)は点 1 と点 3 2 i を通る直線を表わすことが確認できた.

 

ホーム>>カテゴリー分類>>複素数>>複素数に関する問題>>図形の変換(複素平面)

最終更新日:2025年12月11日