の解は複素数を学習する上で非常に重要な式です。このページで詳しく解説する。
の解を求める。
まず, の形にして因数分解する。
・・・・・・(1)
(1)より,
または,
を解の公式を使って解くと,
以上より, の解は
1, ,
となる。
理解をさらに深めるために求まった解を極形式に変えてみる(偏角
の範囲を
とする)。
となり,複素数の絶対値が1で偏角が0°,120°,240°の120°間隔になっている特徴がある。
の3つの解を複素平面上に表すと下図のようになる。
半径1の円上にを起点として 120°(
)づつ正の方向に
回転したところに解が存在する。
とおく(
を1の原始立方解(虚数立方解)という)と,
は複素数の積の特徴より複素数
を120°回転させた複素数になる。すなはち
の虚数解のもう一方
と一致する。
この複素数の積の特徴を利用して,さらに の解 について考えてみる。
に
を3回掛けると360°回転して元に戻る。式で表すと,
に
を3回掛けると720°回転して元に戻る。式で表すと,
このような特徴を一般化したものがド・モアブルの定理であり,
の解である。