角運動量

質量 $3$\displaystyle{m}$ の質点が速度 $3$\displaystyle{\mathbb{v}}$ で運動している，つまり運動量 $3$\displaystyle{\mathbb{p}=m\mathbb{v}}$ で運動しているとき，その質点の位置ベクトルを $3$\displaystyle{\mathbb{r}}$ とすると，ベクトル $3$\displaystyle{\mathbb{p}}$ の点 O のまわりのモーメントは

$3$\displaystyle{ \mathbb{L}=\mathbb{r}\times \mathbb{p} }$ - - - (1)

である(成分表示)．この運動量のモーメント $3$\displaystyle{\mathbb{L}}$ を，質点が点 O のまわりにもつ角運動量という．

角運動量は物体の回転運動において重要な概念であり，簡単にいえば回転運動の勢いを表す量である．
※ ただし，回転運動していなくても角運動量がゼロとは限らない．

図のように，運動量 $3$\displaystyle{\mathbb{p}}$ をもつ質点の位置を点 P とする．式(1)より，角運動量 $3$\displaystyle{\mathbb{L}}$ は $3$\displaystyle{\mathbb{r}}$ と $3$\displaystyle{\mathbb{p}}$ のベクトル積（外積）で定義されるので， $3$\displaystyle{\mathbb{L}}$ の方向は $3$\displaystyle{\mathbb{r}}$ と $3$\displaystyle{\mathbb{p}}$ で張られる平面（淡緑の面）に垂直で， $3$\displaystyle{\mathbb{r}}$ と $3$\displaystyle{\mathbb{p}}$ のなす角 $3$\displaystyle{{\theta}}$ について $3$\displaystyle{\mathbb{r}}$ から $3$\displaystyle{\mathbb{p}}$ に回転するときに右ネジが進む方向（図の右手の親指の方向）を向いている．また，位置ベクトルの大きさ $3$\displaystyle{r= \|\mathbb{r}\| }$ ，運動量の大きさ $3$\displaystyle{p= \|\mathbb{p}\| }$ を用いて， $3$\displaystyle{\mathbb{L}}$ の大きさは

$3$\displaystyle{ L= \|\mathbb{L}\| =rp\sin {\theta} }$ - - - (2)

と表される．点 O から PQ を通る直線に下ろした垂線の長さ $3$\displaystyle{ l= \|\mathbb{r}\| \sin {\theta} }$ より， $3$\displaystyle{ L=lp }$ と書けて，これは形式的には図の △OPQ の面積の2倍に等しいといえる．

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