線形写像の合成

線形写像の合成

2つの線形写像 f:XY g:YZ がある.

X l 次元ベクトル空間, Y m 次元ベクトル空間, Z n 次元ベクトル空間である.
X の要素 x f により Y の要素 y に対応し, Y の要素 y g により Z の要素 z に対応する.
f g の線形写像を続けて行うことにより, X の要素 x Z の要素 z に対応する.
このように2つの写像を連続して行う対応を写像の合成といい,合成された写像(合成写像)を h とすると

h=gf

で表す.合成写像の概念を図で表すと下図のようになる.

  

線形写像 f の表現行列を A ,線形写像 g の表現行列を B とすると,
合成された写像も線形写像となり,その表現行列は BA となる.

■導出

y=f( x )=Ax  ・・・・・・(1)

z=g( y )=By  ・・・・・・(2)

(2)に(1)を代入すると,言い換えると,写像を合成すると,

z =g( f( x ) )

=g( Ax )

=B( Ax )

=( BA )x    (∵行列の計算則)

すなわち

z=( BA )x

となる. h を使って表すと

z=h( x )

となる.よって,合成された写像も線形写像となり,その表現行列は BA となる.( AB でないことに注意 )

 

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最終更新日: 2022年6月21日